こんにちは。しーげるです。
ネットネット株の常連企業に富士精工(6142)という名証メイン銘柄があります。
富士精工は、トヨタ自動車向けを中心とする超硬工具専業メーカーです。
主に、自動車のエンジンやトランスミッション専用の特殊工具をオーダーメイドで設計制作しています。
エンジンやトランスミッションというEVでは採用されない工具を扱っているため、今後も逆風にさらされることになりそうです。
富士精工は、1/11(水)に、2023年2月期第3四半期累計(3-11月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比で3.0%の増収、営業利益は△64.8%の減益を計上しています。
この富士精工は、ネットネット株投資家として、引き続き保有継続できる銘柄でしょうか?
この記事では、次の6つの視点をチェックしてゆきます。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、92億円の現金預金を保有しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債倍率は0.03倍に留まり、問題のない水準です。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は123億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.39になり、NNWC式ネットネット株に該当しています。
また、同時にNW式、NCAV式、かぶ1000式でもネットネット株に該当しています。
売上高は200億円前後で推移しています。



営業利益は低迷しています。



BPSは、過去10年間で1.92倍に拡大しています。



ROEは、好況期に7%を超えています。



1998年以降、4回ほど最終赤字を計上しています。



2012年以降、営業キャッシュフローはプラスを維持しており、フリーキャッシュフローの推移も安定的です。



1999年以降、無配に転落した年はありません。現在の配当利回りは3.75%です。



東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は△13.64%、コロナショックが発生した2020年2月から3月にかけての2ヶ月間の期間騰落率は△14.09%で、比較的暴落耐性のある銘柄と言えそうです。
買収防衛策が導入されていません。
海外投資家割合は0.7%に留まっており、アクティビストの介入余地は乏しそうです。
現金預金が厚いネットネット株(NQ・NNWC・NCAV・かぶ1000式)です。
業績が伸びているわけではありませんが、質の高い資産を多く保有しています。今後の業績は厳しいことが予想されますが、保有する資産に対して時価総額は非常に低く、下値余地が乏しいように考えられます。
したがって、当面の間、保有を継続してゆきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。