【更新】イワブチ(5983)の銘柄紹介 ― 割安な防災関連銘柄は買いか?

NNWC式ネットネット株の1つにイワブチ(5983)という東証スタンダード銘柄があります。

イワブチは、電力架線用金具や交通信号用金具で圧倒的なシェアを誇るメーカーです。

主力製品は配電線路・情報通信・電話関連設備や交通信号・標識の支持金具(自在バンド、吊架金具、共架金具)ですが、学校体育施設向け防球ネット・照明工事、ブロードバンド・防災無線関連工事、光伝送路工事・移動体アンテナ設置工事なども扱っています。

主要取引先は電力会社、NTTグループであり、取扱製品の性質上、防災・台風関連銘柄として注目を集めることもあります。

イワブチは11月11日に2023年3月期第1四半期(4-9月)の決算を発表しました。前年同期比で、売上高は4.2%の増収、営業利益は△79.2%の減益となりました。

ここしばらく株価が低迷するイワブチですが、ネットネット株投資家として、引き続きホールドできる銘柄でしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①NNWC式ネットネット株指数

当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、現金預金を64億円保有しています。6か月前と比較して7億円減少し、3か月前と比較して4億円減少しているとはいえ、引き続き安定的な財務内容です。

負債の内訳を見ると、有利子負債は5億円程度に留まっています。有利子負債倍率は0.03倍程度で全く問題ありません。

また、長期借入金の平均利率は0.64%で、問題のない水準です。

総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は85億円です。

時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.55になり、現時点でネットネット株に該当しています。

続いて、NNWC式では0評価されている土地についても確認します。

このように松戸、大阪、名古屋、札幌、仙台とまずまずの立地環境の土地を保有しており、安全域に厚みをもたせています。

過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を確認すると、割安な水準に達しています。2020年にはネットネット株指数が1.0水準に回帰しているため、バリュートラップに陥っている可能性は低いように思われます。

NNWCは、この3四半期連続で減少している点は注意を要します。

NNWC式だけではなく、NCAV式でもネットネット株指数が0.58に留まっており、ネットネット株に該当しています。

②売上高・営業利益・BPS

売上高は110億円程度で推移しています。

営業利益は黒字を維持しているとはいえ低下傾向にあり、「経済的な堀」が埋まりつつあります。

BPSは過去10年間で38.3%程度成長しています。

③ROE

2006年以降は、好況期でも、ROEが7%を超えることはありません。

過去24年間に一度も最終損失を計上していない点は評価できます。

④キャッシュフロー

営業キャッシュフローはプラスで推移していますし、フリーキャッシュフローもプラスの年度が多くなっています。

キャッシュフローが安定しているため、増配や自社株買いなどの株主価値向上策を期待したいところです。

⑤配当

1998年以降、無配に転落した年はありません。配当利回りは4.55%です。

⑥リスク

本社・工場が松戸市に集中しているため、首都圏直下型地震などの災害リスクに対して脆弱である可能性があります。

東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は+7.45%であった一方、コロナショックが発生した2020年2-3月の2ヶ月間の期間騰落率は△38.58%に達しています。

このショック時の株価反応の違いは、防災関連銘柄であることやコロナショック時に株価が高値圏で推移していたことなどが影響しています。

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません

海外投資家の割合は4.5%に過ぎず、直近株主総会の賛成割合も92%以上であるため、アクティビストの介入余地は少ないように思われます。

とはいえ、自社取引先持株会や自社従業員持株会が保有数を増やしており、関係者は今後の業績をポジティブに捉えている可能性があります。

まとめ:

キャッシュリッチなNNWC型のネットネット株です。豊富な現預金だけでなく、土地や投資有価証券などの良質な固定資産も保有しているため、数値以上に安全域の厚いネットネット株と言えそうです。

売上高や営業利益、ROEは低迷していますが、BPSは拡大していますし、安定的なキャッシュフローを有しているため安心して保有できる銘柄です。

有利子負債が少なく、過去24年間で最終赤字を計上した年はなく、比較的配当利回りが良いため、暴落相場においても底固く推移してくれることを期待しています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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