NNWC式ネットネット株候補の1つに長府製作所(5946)という東証プライム銘柄があります。
長府製作所は、石油給湯器の首位メーカーです。
この長府製作所は、ネットネット株投資家として、購入対象となる銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の6つの視点をチェックしてゆきます。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、社債など688億円分の投資有価証券を保有しています。
負債の内訳を見ると、有利子負債がほとんど存在せず安定的です。
総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は834億円です。
時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.77になり、現時点ではNNWC式ネットネット株に該当していません。
ただし、かぶ1000式ではネットネット株指数が0.67になっています。
過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を見ると、過去6年間で最も割安な水準に達しています。
2020年以前にはネットネット株指数が1.0を上回っていたため、バリュートラップに陥っている可能性は低いように考えられます。
NNWCは緩やかに上昇しています。
売上高は400億円台で推移しています。
1998年以降、営業黒字を維持しています。
過去10年間でBPSは、1.22倍に拡大しています。
ROEは7%を超過したことはなく、資本効率性に課題があります。
営業キャッシュフローはプラス圏をキープしています。フリーキャッシュフローも、多くの年でプラス圏で推移しています。
キャッシュフローが安定的なため、経営陣の方針次第で、新たな株主還元策の拡充を図ることを期待できそうです。
当企業は、連続増配ではないものの、30年以上にわたって「減配」をせずに、配当を維持、もしくは増配してきた「隠れ増配株」です。
工場は日本各地に分散されており、災害リスクの高い銘柄ではありません。
買収防衛策は導入されていません。
海外投資家は20.6%に達しており、直近株主総会の決議における賛成割合は70%程度に留まっているものもあるため、アクティビストの介入余地がありそうです。
社債を中心とする投資有価証券を大量に保有する割安なバリュー株です。
売上高や営業利益の推移、ROE的には魅力は乏しいですが、キャッシュフローは安定しており、企業価値を向上させる余力のある銘柄であり、隠れ増配銘柄でもあります。
仮にNNWC式ネットネット株に該当するようなことがあれば、ポートフォリオに含めることを検討してゆきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。