川岸工業 (5921)の銘柄紹介 ― 割安な鉄骨加工メーカーは買い?

5月17日時点でのNQ式・NNWC式・NCAV式・かぶ1000式ネットネット株に川岸工業(5921)という東証スタンダード銘柄があります。

川岸工業は、超高層ビル向けで実績を持つ、創業110年の鉄骨加工メーカーです。

5月11日、2023年9月期第2四半期(22年10月-23年3月)決算を発表し、前年同期比で、売上高は+17.4%の増収、営業利益は△11.4%の減益を計上しました。

この川岸工業は、ネットネット株投資家として保有できる銘柄なのでしょうか?

この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。

①NNWC式ネットネット株指数

当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、170億円相当の売上債権を保有しています。この3か月間に、受取手形・完成工事未収入金が20億円以上、増加しました。

負債の内訳を見ると、リース債務を除く有利子負債はありません。

高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は152億円です。

時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.54になり、NNWC式ネットネット株に該当しています。

また、NQ式、NCAV式、かぶ1000式のネットネット株にも該当します。

過去6年間のネットネット株指数の推移を見ると、2018年以前には1.0を超えており、指数の回帰性に期待を寄せることができます。

正味流動資産はこの半年間は減少に転じています。

②売上高・営業利益・BPS

売上高は、緩やかに増加しています。

営業利益は、変動幅が大きく、赤字を計上する年が見られます

BPSは、過去10年間で1.54倍に拡大しました。

③ROE

ROEは、好況期に7%を超えて推移しています。

1998年以降、4回にわたり最終赤字を計上しています。

④キャッシュフロー

営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも不安定に推移しており、株主還元策の採用を期待しにくい銘柄です。

⑤配当

1998年以降、無配に転落した年はありません。現在の配当利回りは2.82%です。

⑥リスク

東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は+24.7%、コロナショックが発生した2020年2月から3月にかけての期間騰落率は△24.2%でした。復興需要を取り込める災害リスクに対して強い銘柄です。

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません

まとめ:

売上債権が厚く、NQ・NNWC・NCAV・かぶ1000式のネットネット株です。

BPSは拡大しており、バリュートラップに陥っている可能性は低そうです。

ネットネット株ポートフォリオに組み入れていても、損失を被る可能性は乏しいように考えています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

2 COMMENTS

みつばちハッチ

こんにちは、いつも貴重な情報を公開いただきありがとうございます。大変参考になります。私も川岸工業を若干ですが保有しています。純資産ベースの財務が良好であり、ビジネスにおいても千葉にSグレード工場を保有するなど良い企業だと思います。営業CFなど経営上の配慮があれば市場でも評価され始めるのかもしれません。それを期待して気長に保有しています。

ネットネット株を毎回公開していただいてこちらも参考にしています。大体60銘柄程度に現在は落ち着いているようですね。

また、ニアネットネット株についても、お時間があれば是非公開していただければと期待しています。銘柄がどのように変化しているのか見るのも楽しみなので。

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Siegel

こんにちは。メッセージをありがとうございます。ニアネットネット株もまとめてみたいと思います!

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