こんにちは。しーげるです。
11月22日現在のNNWC式・NCAV式ネットネット株の1つにTYK (5363)という東証スタンダード銘柄があります。
TYKは、耐火物製品(レンガなどの鉄鋼向け耐火物、不定形耐火物、製鋼プロセス製品、非鉄金属向け坩堝)や新素材(ファインセラミックス、耐磨耗材・複合材)のメーカーです。
主な取扱製品は、
- 耐火物製品(転炉用、溶鋼取鍋用、溶銑取鍋・混銑車用、二次精錬用、ガス吹き用、流量制御用、プレキャストブロック、ランスパイプ、製銑用、測温システム、連続鋳造用)
- 非鉄金属産業用製品(坩堝、溶銑炉、耐熱材料、脱ガス装置、測温用プローブ)
- 新素材(ファインセラミックス/アルミナ・マグネシア・ジルコニア・窒化珪素・炭化珪素、複合材/グラファイトシート・特炭材)
などです。
海外売上高比率は29.2%です。
このTYKは、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?
以下の6つの観点から、考慮してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWC式の計算式適用後)を見ると、現金預金が132億円に達しており、安定的です。3か月前と比較して、4億円ほど増加しました。
負債を見ると、直近の有利子負債倍率は0.12倍程度で健全な水準です。
高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は214億円です。3か月前と比較して、22億円ほど減少しました。
時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.56になり、現時点でNNWC式ネットネット株に該当します。
なお、NNWC式に加えて、NVAV式でもネットネット株水準に達しています。
NNWCは拡大傾向にあります。
また、ネットネット株指数は、過去6年間で最も割安な水準に達しています。2017年にネットネット株指数は1.0を回復しているため、指数の回帰性に期待をもてます。
売上高は増加傾向にあります。
営業利益も増加傾向にあります。
BPSは過去10年間で1.59倍に拡大しています。
ROEは4%を超えて推移しています。
純利益は、2011年以後、黒字を計上しており、ある程度の収益性を確保しています。
2001年以降、営業キャッシュフローは安定してプラスで推移しています。また、フリーキャッシュフローも多くの年でプラス圏を維持しています。
キャッシュフローが比較的安定しているため、業績が順調に伸びていれば、増配や自社株買いなどの安定した株主還元策を期待することができそうです。
配当実績を見ると、安定して配当が支払われています。配当利回りは3.62%です。
東日本大震災が生じた2011年3月の月間騰落率は△15.0%、コロナショックが発生した2020年2月から3月にかけての期間騰落率は△8.44%に留まっており、暴落耐性のある銘柄です。
買収防衛策として、ポイズンピルが導入されています。
海外投資家は2.0%に留まっており、直近株主総会決議の賛成割合は87%を超えていることから、アクティビストの介入余地の乏しい銘柄と言えます。
ネットネット株指数的には割安な銘柄です。資産内容も現預金が多く安定的ですし、業績も安定しています。
また、ネットネット株には珍しい低位株であり、カタリストが発生すれば、株価が急騰しやすい側面もあります。
そこで、個人的には、株価が480円前後に達するまで、ポートフォリオに含めておきたい銘柄の1つです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。