こんにちは。しーげるです。
5月26日時点でのNNWC式・かぶ1000式ネットネット株に昭和パックス(3954)という東証スタンダード銘柄があります。
昭和パックスは産業用包装資材メーカーで、以下のような製品を製造しています。
- 重包装袋(石油化学製品用袋、セメント・窯業用袋、化学薬品用袋、農産物用袋、肥料用袋、食品用袋)
- コンテナ(大型・超大型輸送容器)
- フィルム製品(熱収縮包装用フィルム、パレット包装用フィルム、農業用フィルム、二次加工用フィルム)
- 包装機装置システム(簡易包装機、自動包装機)
このうち、粒体(米麦、プラスチックレジン)や粉体(小麦粉・塩・砂糖等の食品や化学薬品等)の輸送容器に使用されるクラフト重包装用紙袋は国内トップシェアを誇ります。
海外売上高比率は、13.1%に留まっています。
昭和パックスは、5月11日、2023年3月期の決算を発表しました。前年同期比で、売上高は+3.1%の増収、営業利益は△20.5%の減益を計上しています。
この昭和パックスは、ネットネット株投資家として購入できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、82億円分の現預金を保有しており、安定的な資産内容です。現金預金は3ヶ月前から8億円減少しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債は13億円程度であり、有利子負債倍率が0.06倍に抑えられています。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は114億円です。なお、2022年12月23日に、連結子会社における3.8億円の債権の取立不能または取立遅延のおそれについて公表しており、その額を負債に加え、算出しています。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.64になり、NNWC式ネットネット株に該当しています。
また、かぶ1000式ネットネット株にも該当しています。
過去6年間のNNWCの推移を見ると、着実に積み上がっています。



また、ネットネット株指数は、過去6年間で最も割安な水準に達しています。
2018年以前は、ネットネット株指数1.0以上を回復しているため、株価の回復によりネットネット株指数が回帰することを期待できます。



さらに、賃貸不動産の含み資産を13.2億円ほど保有しており、安全域の厚い銘柄といえます。
売上高の増減は激しいものの、長期的には上昇トレンドで推移しています。



営業利益は黒字を維持しており、本業での儲けを出し続けています。



BPSは、過去10年間で2.09倍に成長しています。



ROEは、好況期に7%を超える水準に達しています。



過去24年間に最終損失を計上したことはありません。



2002年以降、営業キャッシュフローはプラスを維持しています。
一方、フリーキャッシュフローはマイナスに転落する年も見受けられます。



1999年以降、無配に転落した年はありません。現在の配当利回りは2.44%です。



工場は分散しており、災害に対して脆弱であるようには見受けられません。
東日本大震災が発生した2011年3月の月間騰落率は△4.34%、コロナショックが発生した2020年2月から3月の2ヶ月間の期間騰落率は△10.7%に留まっており、暴落耐性がある銘柄と言えそうです。
買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の株主割合は4.5%であり、直近の株主総会決議の賛成割合は97%を超えているため、アクティビストの介入の気配はありません。
株価水準は、過去3年間の底値水準からは脱しつつあります。



現金預金が厚い財務的に安定したネットネット株です。分散された投資有価証券や都内の賃貸不動産を保有しており、良質な資産バリュー銘柄と言えそうです。
売上高・営業利益・BPS・NNWCともに上昇基調にあり、ROEやキャッシュフローも比較的良好です。
したがって、下値余地は乏しく、引き続き安心して保有できる銘柄と言えそうです。
2,500円台後半を目指して引き続き保有していきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。