中央紙器工業 (3952)の銘柄紹介 ― トヨタ系の段ボールメーカーは買いか?

NCAV式ネットネット株の1つに中央紙器工業 (3952)という名証2部銘柄があります。

この中央紙器工業は、2月3日に22年3月期第3四半期決算を発表しました。昨年同期比で売上高は24.5%の増収、営業利益は15倍の増益を計上しています。

最新の財務内容から、ネットネット株投資家として保有継続できる銘柄なのか、調べてみたいと思います。

以下の7つの要素を1つずつ確認してゆきます。

①業種

中央紙器工業は、東海地盤のトヨタ系段ボールメーカーです。

したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。

この記事では、中央紙器工業の同業他社として、家電向けの段ボールメーカーであるダイナパック(3947)と、 自動車向けダンボール製品も扱う大村紙業(3953)と比較してゆきます。

②ネットネット株指数

当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が75%を占めており、非常に安定的です。取引先はトヨタ自動車が23.2%を占めており、売上債権の安全性に不安はありません。

負債の内訳を見ると、有利子負債はありません

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は91億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.61になり、現時点でNCAV式のネットネット株に該当します。

所有する土地の中には、高換金性と言える都市部の土地は含まれていません。

また、投資有価証券として、次のような上場株式12銘柄、60.2億円分を保有しています。

他のネットネット株計算式すべてで指数が1.0を下回る割安株です。

NetCash0.89
NetQuick0.63
NCAV0.61
NNWC0.62
かぶ1000式0.59

③バリュートラップの危険性

2016年以降、ネットネット株指数が1.0以上に回帰したことがなく、バリュートラップに陥っている可能性を感じさせます。

とはいえ、中央紙器のNCAVの過去5年間の推移を見ると、上昇傾向にあります。

④売上高・営業利益・BPS

売上高は2008年をピークに減少傾向です。

中央紙器は、同業のダイナパックや大村紙業と比較しても苦戦しています。

1998年以降の営業利益推移を見ると、営業損失を計上した年はありませんが、2011年をピークに減少しています。

同業2社と比較すると、中央紙器の営業利益率は目立って低下傾向にあります。

過去10年間のBPSは、1.57倍に成長しています。

⑤ROE

2011年以降、ROEは低下傾向にあり、資本効率性は悪化しています。その要因を探るため、資金効率の内容をデュポン分解してみます。

当期純利益率を見ると、1999年以降損失を出していない点は評価できますが、近年は減益傾向にあります。

一方、総資産回転率は0.7回を切っています。

財務レバレッジは1.1~1.2倍に抑制されています。

⑥キャッシュフロー

フリーキャッシュフローがプラスで推移しています。

また、営業CFもプラスで推移しており、毎年、本業での儲けが出ていることを示唆しています。

キャッシュフローが安定的であるため、経営陣が望めば積極的な株主価値向上策を図る余力はありそうです。

⑦配当

配当実績を見ると、安定して配当が支払われており、現在の配当利回りは3.77%です。

配当実績が安定しているため、株価低迷時にはプロテクターとしての機能を期待できそうです。

その他

買収防衛策は導入されていません

株主構成を見ると、トヨタ自動車が22.97%、BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンドが7.87%の株式を保有しています。

海外投資家割合が13.4%であり、また、直近株主総会決議の賛成割合は83%程度に留まっており、アクティビストの介入余地は皆無ではなさそうです。

まとめ

現預金を中心とした資産が安定したネットネット株です。また、投資有価証券を多く保有しており、安全域を厚くしています。

同業他社と比較して、売上高・営業利益・ROEが伸び悩んでおり、収益面では課題を抱えているものの、キャッシュフローは安定しているため、経営方針次第ではさらなる株主価値向上策にも期待できます。

さらに収益性を伸ばしてもらいたい企業ですが、配当は安定しているため、株価下落時の変動幅はそれほど大きくないかもしれません。

株式相場全体の先行き感が不透明であっても、ある程度安心してホールドできる銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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