7月1日時点でのネットネット株候補に日創プロニティ(3440)という東証スタンダード銘柄があります。
日創プロニティは、福岡市に本社を置く金属加工製品メーカーです。
主要な取扱商品は、
- 環境関連製品(太陽電池アレイ支持架台、ソーラーネオポート、防災対応型ネオポート、NProパイル)
- パネル(一人用WEB会議スペース、アンチヒートブース、スモーキングブース、耐火パネル、不燃断熱パネル・断熱パネル、ユニブース)
- 床材・型鋼(母屋・胴縁加工、フラットデッキ、デッキプレート、キーストンプレート、アイアンボード、リップ溝形鋼)
- 駐車場・駐輪場資材(カラーフェンス、パイプベンディング)
- 農業・畜産資材(畜産資材、谷ロール、鉄板小波、ステンレス水槽、ネスト、パイプ・型鋼加工品)
- 瓦資材、板金・屋根・壁資材、内外装材(Shade WALL、複合板パネル、有孔折板)
です。
6月30日、2022年8月期第3四半期累計(21年9月-22年5月)決算を発表し、売上高は昨年同期比△10.2%の減収、営業利益は△18.2%の減益を計上しています。
この日創プロニティは、ネットネット株投資家として購入できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、71億円の現金預金を保有しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債は38億円程度、有利子負債倍率は0.12倍で問題のない水準です。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は50億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.76になり、NNWC式ネットネット株に該当していません。
過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を確認すると、割安な水準に達しています。また、コロナショック前はネットネット株指数が1.0を大きく上回っており、指数の回帰性に期待を寄せることができます。



しかし、NNWC(正味流動資産)は過去1年間で大きく毀損しています。これは主に、福島工場の設備投資や連結子会社の増加(2社)による負債増加の影響によるものと思われますが、バリュートラップに陥っている可能性を警戒させます。



売上高は、この数年間、伸び悩んでいます。



営業利益も伸び悩んでいるものの、2008-09年以外は、黒字を維持しています。



BPSは、過去10年間で2.49倍に成長しています。



ROEは、好況期には7%超で推移しています。



2002年以降、2008・2009年以外は最終黒字を維持しています。



大半の年で、営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローもプラスを維持しています。



現在の配当利回りは2.88%です。



過去3年間の最安値から2割程度高い水準で推移しています。



買収防衛策は導入されていません。
海外の投資家割合は5.0%で、直近株主総会決議の賛成割合は96%以上に達しているため、海外アクティビストの介入余地は乏しいように思われます。
現時点では、ネットネット株には該当していません。
売上高・営業利益・ROEは伸び悩んでいます。また、株価も底値圏とまでは言えず、中途半端な水準です。
購入を考えるのであれば、ネットネット株圏に入ることを待ってから動きたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。