株主総会決議の賛成割合の低いネットネット株は?

モノ言う株主として知られる、ストラテジックキャピタルの丸木強代表は、「時価総額が大きく、株主が分散していて外国人比率の高い会社では、株主提案で勝負できるようになってきた」と述べています。

このような銘柄では、取締役会が提案する決議を否決したり、株主提案決議を可決する余地を生じさせ、経営陣に株主価値の向上を図るようプレッシャーを加えることが可能になります。

ネットネット株の中に、アクティビストの介入を期待できる銘柄はあるのでしょうか?

この記事では、NCAV式ネットネット株77銘柄の時価総額、外国人比率、株主総会決議の最低賛成割合をリスト化しました。

以下のリストは、直近の株主総会において、複数の決議事項の内もっとも低い賛成割合を抽出し、低い順に並べたものです。

萩原電気(7467)、双葉電子(6986)、新日本建(1879)、ムトー精工(7927)の4銘柄は、株主総会の賛成割合が70%台に留まっており、要注目です。

コード銘柄時価総額
(億円)
株主総会
最低
賛成割合
(%)
外国人
比率
7467萩原電気HD177.870.4813.70
6986双葉電子工業292.773.9814.70
1879新日本建446.775.7816.20
7927ムトー精工43.379.1611.60
4231タイガースポリマー85.780.737.30
6715ナカヨ52.783.816.30
3952中央紙器工業55.983.8313.40
8013ナイガイ22.484.7415.70
8904AVANTIA121.084.879.20
8881日神グループHD203.385.4022.40
6973協栄産業42.986.300.70
8084菱電商370.986.4110.60
4629大伸化学55.186.7912.10
8617光世証券42.786.810.60
4224ロンシール工業59.387.6913.60
5363TYK124.687.942.00
5979カネソウ56.488.340.00
5461中部鋼鈑256.788.7410.40
7427エコートレーディング33.988.982.10
6637寺崎電気132.188.989.60
2982ADワークスグループ71.789.361.30
3321ミタチ61.689.784.40
9995グローセル106.589.812.80
8772アサックス200.590.347.00
7442中山福63.190.405.80
5304SECカーボン208.290.477.00
7297カーメイト71.490.5012.50
6390加藤製92.590.5415.30
8877エスリード262.691.034.30
5971共和工業所52.491.030.00
7399ナンシン35.891.1615.00
5816オーナンバ58.091.588.40
7460ヤギ121.491.6011.80
7021ニッチツ25.992.539.70
6249ゲームカード・ジョイコ143.692.597.00
8609岡三716.392.798.10
7266今仙電機143.092.984.20
5983イワブチ50.492.994.50
7537丸文209.093.9912.00
6771池上通信機43.994.643.10
6964サンコー46.194.656.00
3504丸八HD126.294.773.10
5921川岸工84.994.8710.30
4624イサム塗料54.995.435.70
7314小田原機16.296.243.90
8152ソマール36.296.807.20
6142富士精工57.896.920.70
7887南海プライウッド51.596.973.60
7922三光産業25.297.134.10
9885シャルレ63.797.336.50
8046丸藤パイル76.797.423.60
6346キクカワエンター49.197.656.10
5993知多鋼業63.097.751.20
3600フジックス21.797.793.40
8844コスモスイニシア149.297.895.60
2408KG情報26.097.907.40
9967堺商事44.197.933.00
6496中北製作所79.597.965.80
2055日和産業57.598.324.40
8249テクノアソシエ229.898.375.60
1948弘電社73.298.593.20
5956トーソー50.298.663.70
2917大森屋42.198.710.50
7422東邦レマック14.398.873.70
9867ソレキア38.898.920.30
1451KHC23.999.000.70
6794フォスター電186.899.0221.60
5280ヨシコン86.299.058.60
9854愛眼37.399.171.50
6303ササクラ76.499.361.50
5900ダイケン42.999.365.70
6416桂川電機10.599.523.40
6943NKKスイッチズ33.699.532.80
7338インヴァスト49.199.610.60
4957ヤスハラケミ56.899.651.30
8995誠建設12.099.702.10
5078セレコーポレーション67.7100.000.00

このリストから、以下の点を知ることができます。

  1. 時価総額が大きいほど、外国人比率が高い傾向がある。
  2. 外国人比率が高いほど、株主総会決議の賛成割合が低い傾向がある。

海外の研究では、時価総額が低ければ低いほどリターンが高いという結果が公表されています。しかし、この日本では、一概に時価総額が低ければ低いほど期待値が高まると言い切れないのかもしれません。

いずれにしても、時価総額を過度に意識するよりも、過去数年間の総会決議の賛成割合の推移や外国人比率の推移はチェックするほうが有意義であるように思います。

引き続き、外国人比率が上昇していたり、賛成割合が低下していたりするネットネット株は、株主価値を向上させるカタリストが生じやすいと考えて、注目してゆきたいものです。

この記事もご覧くださり、ありがとうございました。

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