ROICで見るネットネット株

当ブログでは、ネットネット株銘柄の投資適格性を判断するために、様々な指標を参考にしてきました。ざっと振り返ってみても、

  • PER
  • PBR
  • ミックス係数
  • ROE
  • 配当利回り

などの指標を参考にしています。

いずれの指標も正しく用いれば、有用なモノサシとなると思います。

しかし、これらの指標には、「会計上の利益」(=EarningsのE)や「株価」(=PriceのP)が入って計算されています。

「会計上の利益」(税引き後純利益)について言えば、企業側で意図的に操作できる数字であり、信頼を寄せるには心細い数値です。

また、「株価」については、ネットネット株指数を算出するにあたって株価(時価総額)を材料として用いており、価値算出に用いることは不適当である、という有力な意見も聞かれます。

こうした問題点をクリアする上で便利な指標がROICです。

ROICとは、Return On Invested Capitalの略称で、投下資本利益率のことです。

企業が事業活動のために投じた資金を使って、どれだけ利益を生み出したかを示す指標で、次の数式で算出することができます。

ROIC=

(営業利益×(1-実効税率))÷(株主資本+有利子負債)

このROICという指標によって、有利子負債を含む実質的な投下資本からどれだけ効率的に利益を稼いだかを測ることができます。一般的には、10%以上が良いとされているようです。

ネットネット株は、効率的に利益を稼ぐことが苦手な銘柄群になりますが、どの程度のROICになるのでしょうか?現在のネットネット株の高ROIC順にランキング化してみました。

順位コード銘柄ROIC
11879新日本建10.18
25079ノバック10.07
35971共和工業所6.54
49967堺商事6.08
55461中部鋼鈑5.87
68084菱電商5.60
77887南海プライウッド5.59
89885シャルレ5.40
98877エスリード5.17
105280ヨシコン5.11
117467萩原電気HD4.58
125363TYK4.57
135921川岸工4.45
146943NKKスイッチズ4.21
154224ロンシール工業4.11
164629大伸化学4.07
178249テクノアソシエ3.98
183952中央紙器工業3.76
196973協栄産業3.66
209867ソレキア3.62
217537丸文3.54
225304SECカーボン3.44
235993知多鋼業3.42
248881日神グループHD3.25
255956トーソー3.10
265816オーナンバ2.98
275078セレコーポレーション2.88
288772アサックス2.83
297544スリーエフ2.74
307338インヴァスト2.67
312974大英産業2.56
326964サンコー2.55
332917大森屋2.51
341451KHC2.51
356637寺崎電気2.50
368152ソマール2.49
378995誠建設2.30
386927ヘリオステクノH2.27
397427エコートレーディング2.09
404231タイガースポリマー2.09
417314小田原機2.07
426496中北製作所2.02
434957ヤスハラケミ2.01
449995グローセル1.89
457927ムトー精工1.88
466346キクカワエンター1.83
474624イサム塗料1.81
485900ダイケン1.78
496342太平製作所1.73
508844コスモスイニシア1.70
516249ゲームカード・ジョイコ1.57
522788アップル1.52
537460ヤギ1.51
542982ADワークスグループ1.47
553504丸八HD1.40
566303ササクラ1.38
575983イワブチ1.33
581948弘電社1.30
598046丸藤パイル1.10
606467ニチダイ0.96
616771池上通信機0.71
627922三光産業0.70
638609岡三0.68
647399ナンシン0.61
658145中部水産0.58
666142富士精工0.39
672055日和産業0.32
686715ナカヨ0.28
695979カネソウ0.19
707266今仙電機-0.07
717021ニッチツ-0.28
728013ナイガイ-0.63
736986双葉電子工業-1.27
743600フジックス-1.35
758617光世証券-1.77
767422東邦レマック-2.47
779854愛眼-2.71
786390加藤製-5.20
796416桂川電機-7.07
806794フォスター電-7.16

容易に推察できるとおり、低ROICの銘柄が多くなっています。数%程度のROICでは、資本コストのほうが高くなり、どんどん企業価値は毀損していってしまうことでしょう。

これがネットネット株のネットネット株たる所以です。

とはいえ、保有銘柄の中には、数少ないながらも、ROICが10を超える銘柄もあります。

もちろん、ROICだけで投資対象を決するわけにはいきません。しかし、ネットネット株の中からこうした高・中ROIC銘柄を丁寧に拾う投資をしていけば、パフォーマンスの向上に寄与するのではないか、という仮説を立てながら、検証してゆきたいと考えています。

今日もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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