今週末(2020年3月7日~8日)も、ニューヨーク非常事態宣言やら、レバノン国債デフォルトやら、原油増産やら、悪材料が次々に出てきて、日経20,000円割れが現実味を帯びてきました。
このようなパニック売りが生じる時に下手に売買しても損をするだけなので、うんと下の方に指値注文だけ出して、後は口座を見ずに放置することにしています。
でも、「やっぱり不安で含み損が気になる」ということもあります。
そんな時には、「ルックスルー資産」と「ルックスルー利益」を計算することにしています。
この記事では、「ルックスルー資産」・「ルックスルー利益」とは何かをまとめました。
目次
「ルックスルー資産」とは、ウォーレン・バフェットが言及している考え方です。
シンプルな計算式は、
ルックスルー資産=投資金額÷PBR
というもの。
かぶ1000さんはこのように説明しています。
「ポートフォリオ全体をひとつの会社と見立てると利益が年間で約2000万円、資産は4億円強。そんな会社を1億8000万円で買えたと考えるとお得ですよね。この発想でより少ない資金で、ルックスルー利益や資産を増やしていくことをめざします」。
出典:日興フロッギー「中学生での株デビューから資産3億円〜かぶ1000さんインタビュー【後編】」
つまり、ルックスルー資産を計算することによって、自分のポートフォリオはどれほどお得に株式を購入できたか、を可視化することができます。
「ルックスルー利益」とは、
ルックスルー利益=投資金額÷PER
で求めることができます。
かぶ1000さんはこう説明しています。
「たとえば10室のマンションのうち、2室を持っていたとします。この場合、マンション全体の賃料収入に対して自分の利益は20%ですよね。同じように会社全体の利益に自分の保有株比率をかけたものがルックスルー利益です」。
出典:日興フロッギー「中学生での株デビューから資産3億円〜かぶ1000さんインタビュー【後編】」
ルックスルー利益を計算することによって、
1年間に自分のポートフォリオはどれほどの利益を生み出すかを可視化することができます。
レバレッジ購入分を含めると複雑になるため、とりあえず現物購入分だけで考えてみます。
取得金額の合計は「5,214,536円」になります。



この取得金額に対して、ルックスルー資産は「13,558,078円」(260%)になりますので、暴落耐性はあるでのではないかと思います。



また、ルックスルー利益は、「528,296円」(9.87%)と高くはないものの、しっかり利益を生み出してくれています。



520万円余りで取得した現在のポートフォリオは、1,350万円余りの価値を有しており、1年間に50万円余りの利益を生み出していることが確認できました。
すぐに売却するわけではない長期投資家にとっては、日々の株価変動ではなく、企業の資産価値や利益に注目することは、無駄な動揺を避けるうえで役立つと思います。
その点で、ルックスルー資産やルックスルー利益は、大変役立つ指標です。
すでに計算している方も多いと思いますが、まだ計算しておられない方はご自身のポートフォリオのルックスルー資産とルックスルー利益を計算してみるのはいかがでしょうか。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。