【2021年6月版】動向をチェックしておきたい7つの機関投資家

バリュー株投資を行う方は、『四季報』の株主欄や、監視銘柄に関する「大量保有報告書」を確認することがあると思います。

親会社、経営者、オーナー、社員持株会の保有割合は、今後の株価動向を探る上で大きなヒントになります。

加えて、バリュー株を中心に投資する機関投資家の保有動向も大きなヒントとなることがあります。

機関投資家が保有数を増やして需給状態が良くなったり、企業価値を向上させるための株主提案を積極的に行ったりすることがあるからです。

このシリーズ記事では、資産バリュー投資家として、動向をチェックしておきたい7つの機関投資家をご紹介します。

①BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンド

米国のフィデリティ・グループのファンドで、バリュー投資のスタイルを採用したファンドです。一般の機関投資家は保有しないような小型株も保有しています。

主な保有銘柄は以下のとおりです。

②光通信

光通信（9435）は、中小企業向け事務機や携帯電話などを販売する企業です。その一方で、多くの上場企業の株式を保有していることで知られています。

本業と全く無関係の銘柄やPBRが1倍を超えるような銘柄も保有していますが、事業と類似する情報通信、サービス、卸売業銘柄も多く保有しています。そのような類似業種銘柄には敵対的買収の可能性が囁かれることがあります。

光通信と関連法人（光通信・光通信㈱・㈱ブロードピーク・㈱UHパートナーズ2・㈱UHパートナーズ3・㈱総合生活サービス）が保有する主要銘柄は以下のとおりです。

③村上ファンド系投資会社

村上世彰氏や娘の野村彩氏が運用を手掛けるファンドや、旧村上ファンドに在籍していたアクティビストが立ち上げた投資会社は「もの言う株主」として大きな注目を集めています。

株主名簿には、次のような名前で掲載されています。

• エフィッシモ キャピタル マネージメント
• Ｃ＆Ｉホールディングス
• レノ
• オフィスサポート
• シティインデックスイレブンス
• 南青山不動産
• エスグラントコーポレーション

主な保有銘柄は以下のとおりです。

④タイヨウ・ファンド

米国のタイヨウ・ファンドは、相互理解のある企業にのみ投資し、評判・財務・事業の３分野で長期的な価値を創造することを目指しているファンドです。5G関連銘柄として注目を集めたアンリツへの投資などで大きなリターンを得たことで知られています。

経営側と友好的な関係を維持するスタイルであるため、円滑に企業価値が向上していくことを期待できます。

主な保有銘柄は以下のとおりです。

⑤シルチェスター

シルチェスターは英国ロンドンの長期バリュー投資家です。低PBRの地銀銘柄を多く保有していることで知られています。一部の地銀には政策保有株を減らす動きが見られ、シルチェスターの働き掛けが功を奏しているように見受けられます。

主な保有銘柄は以下のとおりです。

⑥オアシス

香港のオアシスは、オーナー系企業や親子上場企業にも積極的に投資しています。これまでもパナホームやアルパインの親子上場にも着目し、少数株主の保護の必要性を主張してきました。

現在の主な保有銘柄は以下のとおりです。

⑦ストラテジックキャピタル

ストラテジックキャピタルは、旧村上ファンドに在籍していた丸木強氏によって設立されたファンドであるため、村上系ファンドとしてみなされることもあります。

ほとんどの企業はストラテジックキャピタルの提案が受け入れないものの、株主還元の増加などによりファンド側の期待に沿う動きが多く見られます。

まとめ

この７つの投資会社の多くは、バリュー株に投資することが多いため、監視する銘柄と重なることがあります。

そのような場合に、ファンド側が買い増ししているか、企業側はファンドの要求に応えようとしているか、といったチェックを行っていくことは今後の株価動向を探る上で大きなヒントとなります。

そのため、株主リストや大量保有報告書にこれら機関投資家の名前がないかを確認するようにしています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。