こんにちは。しーげるです。
2020年から21年にかけて、香港市場や米国市場に上場するネットネット株に投資し、運良くそのうちの幾つかの銘柄が大きなリターンを上げてくれました。
しかし、2021年の後半以降、海外ネットネット株への投資を控えています。
というのも、日本から投資できるネットネット株の大半は、香港市場に上場する中国系企業か、米国市場にADRで上場する中国企業ばかりだからです。
この記事では、中国系ネットネット株への投資を控えて、日本のネットネット株にのみ投資している3つの理由をまとめてみました。
目次
2023年2月現在、日本市場にはNCAV式ネットネット株が85銘柄ほどあり、非常に割安な銘柄が多く存在しています。
そのため、日本国内のネットネット株に投資するだけで、銘柄分散を十分にはかることができます。
中国では、政権指導部の突然の方針変更により、規制が強化され、事業に悪影響が出るケースが頻出しています。そのような経済的なカントリーリスクに加えて、安全保障問題や人権問題が山積しています。
ロシアによるウクライナ侵攻によって、経済制裁を受けたロシアの株式市場は壊滅的な打撃を受けましたが、台湾有事が生じた場合に同様の経済ショックが生じ得ることは容易に想像できます。もちろん、台湾有事の際は日本市場も甚大な影響を被るでしょうが、中国と日本で分散しても効果は期待できません。
そのようなカントリーリスクはあまりに甚大であり、リターンと見合っていないように感じられます。
機関投資家が投資対象から外す小型株の中には、不正な財務諸表を意図的に公開しているケースが指摘されています。
そのような詐害的な意図を持つ企業は例外的であっても、会計制度の不備や運用の不透明性ゆえに、堅実なバランスシートを持ち、順調に成長しているように思える企業が、実体とかけ離れた会計状態にあることが発覚したケースも少なくありません。
そのような不正な会計処理を行っている海外のネットネット株を見極めるための体系的なスキルを身につけることは至難の技ですし、判断するための情報を個人投資家が得ることも困難を極めます。
そのため、中国のネットネット株全般を避けることは、リスク回避のための賢明な判断であると思います。
日本のネットネット株において、ネットネット株指数(P/NCAV)が0.4を下回ることは極めて稀です。
しかし、中国のネットネット株はネットネット株指数が0.1近くにまで株価が下がることがあります。
たとえば、ネットネット株指数0.66水準で購入した銘柄が、財務内容が変わらずに指数0.4水準に下がるならば、株価は40%下がることになります。一方、同じ銘柄の指数が0.1にまで下がるなら、株価は85%下がることになります。
40%の下落幅でさえ十分に耐え難いものですが、85%の毀損はポートフォリオに大きなダメージを与えるものとなります。
こうした極端な値下がりリスクが生じ得ることは中国系ネットネット株の危険な一面と言えます。
本来、投資対象の分散は、リスクを分散するために行うものです。
しかし、ネットネット株で地域分散を図ろうとすると、よりリスクの高い中国系企業を投資対象とせざるを得ません。
したがって、上述のようなリスクを鑑みて、現時点では、海外のネットネット株をポートフォリオに含めることを控えています。
もちろん、米国企業で割安株が増えてきたり、日本の証券会社からヨーロッパや東南アジアの企業を購入することができるようになれば、積極的に購入を検討してゆきたいと考えています。
それまでの間は、地域分散は、ネットネット株ポートフォリオとは別で運用している全世界株式インデックスファンドに任せておきます。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。