こんにちは。しーげるです。
3月6日時点のNQ式・NNWC式・NCAV式・かぶ1000式ネットネット株の1つに丸八ホールディングス (3504)という名証メイン銘柄があります。
丸八HDは、寝具の製造販売大手メーカーです。
取扱製品は、
- 掛けふとん、敷きふとん、羽毛ふとん、羊毛敷きふとん、毛皮製品、ベッド、まくら、カバー、季節商品、インテリア
- 個人宅への訪問販売、 オンラインショッピング、店舗販売
- 卸売(量販店、百貨店、通信販売、専門店、海外)、業務用寝具販売(ホテル・旅館向け、寝具・枕・ベッド・内装インテリア・小物類)
- ふとんのレンタル・リース、製品企画・仕入・生産・卸売、ふとんクリニック、羽毛ふとんリフレッシュ
です。
2月10日に、2023年3月期第2四半期(4-12月)決算を発表しました。昨年同期比で売上高は△1.6%の減収、営業利益は△10.9%の減益を計上しています。
この丸八HDは、ネットネット株投資家として、引き続き保有できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の6つの視点をチェックしてゆきます。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、301億円の現金預金を保有しています。3か月前と比べ、23億円ほど増加しており、キャッシュリッチな企業です。
負債の内訳を見ると、有利子負債は95億円に留まっています。有利子負債倍率は0.2倍未満に抑制されており、問題のない水準です。
総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は304億円です。3か月前から9億円増加しました。
時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.39になり、現時点でネットネット株に該当しています。
NNWCのほかに、30.5億円の含み資産を保有しており、安全域の拡大に寄与しています。
2017年以降、売上高は減少傾向にあります。
2014年以降、営業黒字を維持しています。
BPSは3,000円程度で横ばい推移しています。
ROEは、上昇傾向にあります。
2013年以降、最終黒字を維持している点は評価できます。
営業キャッシュフローはすべての年でプラスを維持しています。
しかし、フリーキャッシュフローはマイナス圏に転落する年も見られます。
キャッシュフローがさらに安定すれば、配当などの安定した株主還元策を期待できます。
2016年の上場以降、無配に転落したことはありません。配当利回りは3.7%です。
国内子会社の磐田工場や袋井リサイクルセンターは、南海トラフ巨大地震の津波浸水想定エリアに立地しています。国内の工場は静岡県、賃貸用不動産は東京・横浜に集中しており、震災リスクに脆弱な企業のように感じます。
震災に対しては脆弱であるとはいえ、コロナショックが発生した2020年2-3月の2ヶ月間の期間騰落率は△16.54%に留まっており、暴落耐性が欠けている銘柄ではありません。
また、米ドル建ての金融資産を175.8億円分保有しており、円高に対して脆弱である一方、極端な円売りが発生した際には、リスクヘッジの役割を期待できます。
買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の保有割合は3.0%に留まっており、株主総会決議の賛成割合も94.8%を超えています。したがって、アクティビストの介入可能性は乏しいように考えられます。
現金預金を多く保有する財務基盤の安定したNNWC式ネットネット株です。
収益性の乏しい銘柄ですが、含み資産を保有しており、安全域が非常に厚い銘柄です。多くの米ドル建て金融資産を保有しており、円に集中しやすいネットネット株ポートフォリオの通貨分散効果を期待できます。
したがって、引き続き保有しておきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。