ミューチュアル (2773)の銘柄紹介 ― 割安な包装機械メーカー

ネットネット株候補の1つにミューチュアル(2773)というJASDAQ銘柄があります。

ミューチュアルは、5月17日に2021年3月期の決算を発表し、売上高は昨年比▼4.7%の減収、営業益は1.1%の増益でした。また、今期は売上高が▼20.3%の減収、営業利益が▼49.1%の減益になる見通しです。

このミューチュアルは、ネットネット株投資家として保有対象になる銘柄でしょうか?

下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

ミューチュアルは、包装機械の中堅メーカーで、製薬や化粧品、食品業界向けの製品を製造している企業です。

そのため、不動産業や金融業銘柄ではありません

②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が53%を占めています。

負債の内訳を見ると、有利子負債がありません

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は73.6億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.92になり、現時点ではネットネット株に該当しません。

③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?

売上高は横ばい、もしくは緩やかな上昇傾向にあります。

EPS(1株当たり利益)も大きく変動しているものの、下降トレンドにはありません。

1998年以降、最終赤字を計上していない点は評価できます。

NCAVは2012年以降、上昇トレンドをたどっています。

④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?

好況期には、ROEが7%を超過してくる銘柄です。

過去10年間でBPSは1.66倍に拡大しています。

⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?

2020年以前はネットネット株指数が1.0を大きく超えて推移していました。

⑥時価総額は100億円以下か?

時価総額は68億円です。

⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満であるか?

流動比率は223%ですし、有利子負債もほとんどなく、財務的な問題はありません

⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

現在の900円前後の水準は、下記チャートを見れば明らかなとおり、底値圏とはいえません。

出典:SBI証券

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません

社員持株会や取引先持株会が保有数を増やしている点は好印象です。

まとめ

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?OK
②ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?
③過去10年間の売上高・EPS・NCAVが下降トレンドをたどっていないか?OK
④好況期のROEが7%以上あり、直近10年間でBPSが2倍近く成長しているか?OK
⑤好況期にネットネット株指数1.0を回復しているか?OK
⑥時価総額は100億円以下か?OK
⑦流動比率が150%以上、かつ、有利子負債自己資本比率が50%未満か?OK
⑧株価は過去3年の底値圏にあるか?

ネットネット株とは言えませんが、好財務の割安株です。ある程度の収益性もあるため、ネットネット株水準に株価が落ち込むことがあれば積極的に保有したい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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