ネットネット株と買収防衛策

2021年、国内株式市場でのTOB件数は70件を数え、そのうちの5件が敵対的TOBでした。

ネットネット株は、株価が非常に割安に放置されているため、敵対的TOBの対象となる可能性は高いように考えられます。

そこで、経営陣は他の企業が自社を買収しないように事前に防衛策を講じることがあります。

この記事では、敵対的買収を仕掛けられる前に講じる8種類の事前予防策をご紹介します。また、ネットネット株の中で事前予防策を取っている企業がないかを確認します。

主要な買収防衛策

買収者の買収意欲を低下させるため、次のような防衛策が事前に定められることがあります。

①ポイズンピル

ポイズンピルとは、買収者が一定割合の株式を買い占めた場合などに、既存株主のみに安い価格で新株を購入できる権利を付与しておく手法です。

敵対的買収を仕掛けた買収者の持株比率が下がるため、買収を困難にすることが狙いです。

しかし、株式数が増加するため、株価が急落することになります。

②マネジメントバイアウト(MBO)

マネジメントバイアウト(MBO)とは、自社の経営陣が株式を買い取り非上場化させることです。

非上場化により、敵対的買収をするための公開株式買い付けを防ぐことができます。

③プットオプション

プットオプションとは、買収者が一定割合の株式を買い占めた場合などに、株主と債権者に対して、株式買取や弁済を要求できる権利のことです。

プットオプションが行使されると、多額の資金が必要になるため、買収防止を図ることができます。

④黄金株

黄金株とは、合併などを拒否する権利がある特別な株式です。

この株式を所有している会社は、買収に関わる株主総会決議事項について拒否権を行使できます。

この株は一株しか発行できず、自社で所有することができません。

現在、INPEXのみが、黄金株を発行している上場会社となっており、この黄金株は経済産業大臣が所有しています。

⑤ゴールデンパラシュート

ゴールデンパラシュートとは、買収される会社の役員の退職金を高く設定することです。

通常の3倍程度の退職金を設定することにより、買収後の役員退職に多額の費用を生じさせ、買収の抑止を図ることができます。

多くの従業員がリストラで解雇される中、社長や会長などが高額の退職金を持って退職するのは批判を招くこともあるため、割増退職金ではなく、条件付きのストックオプションのような形態を取ることもあります。

⑥ティンパラシュート

ティンパラシュート(ブリキの落下傘)とは、買収される会社の従業員の退職金や一時金を高く設定することです。

敵対的買収がされた後、買収した会社は従業員を退職させようとするケースがありますが、従業員の退職金や一時金を高く設定しておくことにより、買収抑止力としての機能を期待できます。

⑦チェンジオブコントロール

チェンジオブコントロールとは、経営権が変わった時に制限や契約解除を発動させる条項のことです。

この条項に重要な取引先との契約解除などを含めることにより、買収抑止を図ることができます。

⑧絶対的多数条項

絶対的多数条項とは、株主総会での議決要件を90%以上の賛成を求めるなどして厳しくすることです。

100%近くの株式を取得するには多額の資金が必要になるため、絶対的多数条項のある企業は買収しにくくなります。

ネットネット株の買収防衛策

ネットネット株76銘柄のうち7銘柄が買収防衛策を導入しています。

コード銘柄買収防衛策
3600フジックス
8881日神グループHD
8046丸藤パイル
6943NKKスイッチズ
6416桂川電機
5078セレコーポレーション
8152ソマール
6303ササクラ
6249ゲームカード・ジョイコ
8995誠建設
9885シャルレ
4957ヤスハラケミ
6142富士精工
6390加藤製
5921川岸工
7427エコートレーディング
8772アサックス
6771池上通信機ポイズンピル
7338インヴァスト
3504丸八HD
8617光世証券
6715ナカヨ
8013ナイガイ
2982ADワークスグループポイズンピル
2917大森屋
7887南海プライウッド
6973協栄産業
7467萩原電気HD
6986双葉電子工業
6496中北製作所
6964サンコー
5304SECカーボン
5280ヨシコン
5993知多鋼業
8877エスリード
2055日和産業
8844コスモスイニシア
7422東邦レマック
7399ナンシン
7537丸文ポイズンピル
1879新日本建
1948弘電社
5979カネソウ
9995グローセル
7314小田原機
6794フォスター電
5816オーナンバ
6637寺崎電気
4629大伸化学
3952中央紙器工業
2408KG情報
5900ダイケン
5983イワブチ
9854愛眼
5956トーソー
4231タイガースポリマーポイズンピル
8249テクノアソシエ
7460ヤギ
7266今仙電機
5461中部鋼鈑ポイズンピル
7922三光産業
5971共和工業所
8084菱電商
6346キクカワエンター
3321ミタチ
4224ロンシール工業
4624イサム塗料
8904AVANTIA
7021ニッチツポイズンピル
9867ソレキア
7297カーメイト
5363TYKポイズンピル
1451KHC
7442中山福
9967堺商事
2788アップル

これら7銘柄全てがポイズンピルを明示しています。もちろん、有価証券報告書などに記載がない買収防衛策であっても採用される可能性はあります。

これら7つのほとんどの企業は、議決権割合が20%を超えるような買付行為に警告しており、アクティビストによる買付は実質困難になっています。

したがって、アクティビストによるTOBや経営陣によるMBO、他の株主価値向上策が取られることを期待することはできず、カタリストが生じにくい銘柄と言えそうです。

ネットネット株への投資を考慮する際には、このような買収防衛策の有無や内容を確認したうえで投資判断を下してゆきたいと考えています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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