7月5日時点でのNCAV式・NNWC式・かぶ1000式ネットネット株にフジックス(3600)があります。
フジックスは、縫い糸・刺しゅう糸メーカーで、家庭用糸の国内最大手です。
取扱商品は、
- 工業用糸(工業用縫い糸、高機能糸、飾り糸、ミシン刺繍糸、特殊糸)
- 家庭用糸(縫い糸/合繊・綿・絹、高機能糸、ロックミシン用糸、キルト用糸、飾り糸、手まり)
- 刺繍糸(キングスター、工業用ミシン刺しゅう糸)
などです。
海外売上高構成比率は26.5%です。
このフジックスは、ネットネット株投資家として購入できる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の6つの視点から検討してみました。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、27億円の現金預金を保有しています。



負債の内訳を見ると、2018年以降、有利子負債はありません。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は50億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.44になり、NNWC式ネットネット株に該当しています。
過去6年間のNNWCの推移を見ると、横ばいで推移しています。



また、ネットネット株指数は、過去6年間で最も割安な水準に達しています。



しかし、直近6年間でネットネット株指数1.0以上を回復したことはなく、バリュートラップに陥っている可能性を感じさせます。
売上高は50-60億円台で横ばい推移しています。



営業利益は赤字が頻発しており、本業での儲けを出せていません。



BPSは成長していません。



ROEは、マイナス値に転落する年が多くなっています。



1999年以降、10回の最終損失を計上しています。



2002年以降、大半の年で営業キャッシュフローはプラスを維持しています。
しかし、フリーキャッシュフローの推移は不安定です。



1999年以降、無配に転落した年はありません。現在の配当利回りは3.39%です。



現在の株価水準は、過去3年間最安値から12.4%程度であり、安値圏と言えそうです。



買収防衛策が導入されていません。
海外投資家割合は3.4%に留まっており、直近株主総会議決での賛成割合は97%を超えていることからアクティビストの介入の可能性は乏しい銘柄です。
非常に割安なネットネット株(NCAV式・NNWC式・かぶ1000式)です。
業績が非常に厳しく、バリュートラップに陥っている可能性もありますが、下値余地は限られているとも考えられます。
引き続き監視してゆきたい銘柄の一つです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。