こんにちは、しーげる(@siegel)です。
6月8日現在、NCAV式・NNWC式・かぶ1000式ネットネット株の1つにナカヨ (6715)という東証スタンダード銘柄があります。
ナカヨは、前橋市に本社を置く電話機や交換機の中堅メーカーです。
- 電話・周辺機器
- インターホン
- 介護・医療用通信システム
- IoT・ものづくり
- ソリューション
などの商品を取り扱っています。
主要取引先は、
- 日立情報通信エンジニアリング
- NTT東日本
- NTT西日本
- 日立製作所
といった国内企業です。
このナカヨは、最新の財務内容から、ネットネット株投資家として保有できる銘柄なのか、調べてみます。
以下の7つの要素を1つずつ確認してゆきます。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、61億円の現金預金、52億円相当の売上債権を保有しています。また、ミライトHDなど10銘柄18億円相当の投資有価証券も保有しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債はありません。



高換金性資産から総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は97億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.55になり、現時点でNNWC式ネットネット株に該当しています。
過去6年間のNNWCの推移を見ると、90億円程度で横ばい推移しています。



また、ネットネット株指数は、過去6年間で最も割安な水準に達しています。2018年以前はネットネット株指数が1.0を上回っており、バリュートラップに陥っている可能性は低いように思われます。



売上高は200億円程度で横ばい推移しています。



営業利益の推移を見ると、2010年以降は営業黒字を維持しています。



過去10年間のBPSは、1.25倍に成長しています。



ROEは低水準で推移しています。



当期純利益率を見ると、過去24年間で4回の最終損失を計上しています。



営業CFは大半の年でプラスを維持し、フリーキャッシュフローも多くの年でプラス圏をキープしていまが、2022年はマイナスに転落しました。



キャッシュフローが比較的安定しているため、業績が上向けば増配などの株主価値向上策を期待できます。
2002年以降、無配年度はありません。配当利回りは3.56%です。



南海トラフ巨大地震の津波浸水想定エリアに本社や工場は立地していません。
過去3年間の底値圏に位置しており、下値は限定的であるように考えられます。



買収防衛策は導入されていません。
海外投資家割合は6.2%に留まっていることにくわえ、直近株主総会決議の賛成割合が81%に達しており、アクティビストの介入余地は乏しそうです。
光通信が5.19%の株式を保有しています。
現預金が厚く、有利子負債を持たないNNWC式ネットネット株です。投資有価証券も多く、NCAV式・かぶ1000式ネットネット株でもあります。
売上高・営業利益・ROEは伸びていませんが、BPSは伸びているため、バリュートラップに陥っている可能性は乏しいように感じられます。
収益性は期待できませんが、資産内容の劣化に注意を払いつつ保有を継続したい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。