こんにちは、しーげる(@siegel)です。
NNWC式ネットネット株の1つにイワブチ(5983)という東証スタンダード銘柄があります。
イワブチは、電力架線用金具や交通信号用金具で圧倒的なシェアを誇るメーカーです。情報通信関連にも展開しているため、防災・台風関連銘柄だけでなく、4K・8Kテレビ関連銘柄として注目を集めることもあります。
株価が低迷するイワブチですが、ネットネット株投資家として、引き続きホールドできる銘柄でしょうか?
下記の購入基準に該当するか、1つずつ確認してゆきます。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、現金預金を71億円保有しており、安定的な財務内容です。



負債の内訳を見ると、有利子負債は5億円程度に留まっています。有利子負債倍率は0.03倍程度で全く問題ありません。



総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は87億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.55になり、現時点でネットネット株に該当しています。
続いて、NNWC式では0評価されている土地についても確認します。



このように松戸、大阪、名古屋、札幌、仙台とまずまずの立地環境の土地を保有しており、高換金性を有するとみなすことができます。
過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を確認すると、最も割安な水準に達しています。2020年にはネットネット株指数が1.0水準に回帰しているため、バリュートラップに陥っている可能性は低いように思われます。



NNWCは緩やかに上昇しています。



売上高は110億円程度で推移しています。



営業利益は黒字を維持しているとはいえ低下傾向にあり、「経済的な堀」が埋まりつつあります。



BPSは過去10年間で38.3%程度成長しています。



2006年以降は、好況期でも、ROEが7%を超えることはありません。



過去24年間に一度も最終損失を計上していない点は評価できます。



営業キャッシュフローはプラスで推移していますし、フリーキャッシュフローもプラスの年度が多くなっています。



キャッシュフローが安定しているため、株主価値向上策を期待したいところです。
1998年以降、無配に転落した年はありません。配当利回りは4.58%です。



本社・工場が松戸市に集中しているため、首都圏直下型地震などの災害リスクに対して脆弱である可能性があります。
買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の割合は4.2%に過ぎず、直近株主総会の賛成割合も94%以上であるため、アクティビストの介入余地は少ないように思われます。
とはいえ、自社取引先持株会や自社従業員持株会が保有数を増やしており、関係者は今後の業績をポジティブに捉えている可能性があります。
キャッシュリッチなNNWC型のネットネット株です。豊富な現預金だけでなく、土地や投資有価証券などの良質な固定資産も保有しているため、数値以上に安全域の厚いネットネット株と言えそうです。
売上高や営業利益、ROEは低迷していますが、BPSは拡大していますし、安定的なキャッシュフローを有しているため安心して保有できる銘柄です。
有利子負債が少なく、過去24年間で最終赤字を計上した年はなく、比較的配当利回りが良いため、暴落相場においても底固く推移してくれることを期待しています。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。