こんにちは、しーげる(@siegel)です。
5月17日時点のNNWC式ネットネット株の1つに東京汽船 (9193)という東証スタンダード銘柄があります。
東京汽船は、東京湾内の曳船(エスコート)サービス会社です。
この東京汽船は、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の6つの視点をチェックしてゆきます。
目次
当企業の資産内訳(NNWCの計算式適用後)を見ると、現金預金が97億円に達しており、安定的な財務内容です。



負債の内訳を見ると、有利子負債が36億円に達しています。ただし、有利子負債倍率は0.2を下回っており、問題のない水準です。



総負債を除いたNNWC(正味流動資産)は78億円です。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.66になり、現時点でネットネット株に該当しています。
過去6年間のNNWCの推移を見ると、減少傾向にあります。



さらに、ネットネット株指数は、コロナショック直後の割安水準には達していません。また、過去6年間にネットネット株指数が1.0を上回ったことはなく、バリュートラップに陥っている可能性があります。



1999年以降、売上高は緩やかな減少傾向にあります。



コロナの影響により、2021・22年の営業利益が赤字転落し、23年も赤字予想になっています。



過去10年間でBPSは1.29倍ほどの拡大に留まっています。



ROEは低下傾向にあり、2007年を最後に7%を超えたことがありません。



営業キャッシュフローはプラスを維持しており、大半の年でフリーキャッシュフローもプラス圏に留まっています。



このようにキャッシュフローが比較的安定しているため、業績改善の見通しが立つ際には、配当などの安定した株主還元策を期待できます。
1999年以降、無配に転落したことはありません。配当利回りは1.93%です。



東京湾を中心に事業を展開しているため、首都圏直下型地震などにより、一時的に事業が継続できなくなったり、保有する船舶が津波の被害に見舞われたりする可能性があります。
買収防衛策は導入されていません。
BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンドが8.1%の株式を保有しています。
現時点でキャッシュリッチなNNWC式のネットネット株です。
コロナの影響により、一時的に業績が悪化しています。また、バリュートラップに陥っている可能性も感じさせます。
コロナショック直後の割安水準にも達しておらず、現在の株価水準での購入は見合わせたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。