こんにちは、しーげる(@siegel)です。
NNWC式ネットネット株の1つにNKKスイッチズ(6943)という東証スタンダード銘柄があります。
NKKスイッチズは、トグルスイッチに定評のある産業用小型スイッチメーカーの大手企業です。
このNKKスイッチズは、5/10(火)に22年3月期決算を発表しました。昨年同期比で、売上高は30.9%の増収、営業利益は73倍の増益を計上しています。しかし、23年3月期は、0.7%の増収、75%の減益、150円から100円への減配を予想しています。
業績に急ブレーキの掛かったNKKスイッチズですが、ネットネット株投資家として、保有対象となる銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の6つの視点でチェックしてゆきます。
目次
NNWCの計算式を適用後の資産内訳を見ると、長期預金を含む現金預金が56億円に達しています。
一方、リース負債の2億円の他に借入金などの有利子負債はありません。
NNWC式の正味流動資産は70億円に達します。



時価総額をNNWCで割ったネットネット株指数(P/NNWC)は0.49になり、NNWC式ネットネット株に該当します。



過去6年にわたり、NNWCは拡大していません。



過去6年間のNNWC式ネットネット株指数の推移を確認すると、0.5を下回る現在は最も割安水準に達しています。しかし、指数1.0を回復している時期はなく、バリュートラップに陥っている可能性があります。



売上高は横ばい傾向にあります。



営業利益は、赤字に転落する年もあり、低迷しています。



BPSは過去10年間で1.16倍の拡大に留まっています。



ROEは、7%を超過することはほとんどなく、資本効率性の点でも課題を抱えています。



営業キャッシュフローもフリーキャッシュフローも、しばしばマイナス圏に転落しています。



キャッシュフローが不安定であるため、増配や自社株買いなどの株主価値向上策を期待しにくい銘柄です。
1999年以降、増配と減配を繰り返しつつも、無配に転落した年はありません。配当利回りは2.45%です。



工場は3箇所に分散されているものの、川崎市高津区の本社・工場は多摩川氾濫時に浸水するエリアに立地している点には注意が必要です。
買収防衛策は導入されていません。
海外投資家による株主保有は3.2%程度であり、株主総会の賛成割合が96%を超えていることから、アクティビストによる介入も想定できません。
会計監査人の異動を5月10日に発表しました。監査報酬の減額を目的としたものかもしれませんが、一応留意しておきたいところです。
現金預金が資産の多くを占める堅固なNNWC型のネットネット株です。
売上高・営業利益は低迷し、NNWC・BPSも横ばいであり、ROEやキャッシュフローの側面からも魅力の乏しい銘柄です。
とはいえ、有利子負債がほとんどなく、財務が盤石であるため、長期的には下値余地が乏しいと考えられます。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。