こんにちは、しーげる(@siegel)です。
ネットネット株の1つにナイガイ(8013)という東証スタンダード銘柄があります。
ナイガイは、靴下老舗メーカーで、百貨店中心からECなど販路多角化を進めている企業です。
このナイガイは、3/17(木)の大引け後に22年1月期の連結決算を発表しました。昨年同期比で、売上高は11.2%の増収、営業利益は18.07億円の赤字から0.89億円の赤字へと赤字幅が縮小しています。
ナイガイは、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?
この記事では、次の6つの視点でチェックしてゆきます。
目次
当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が43%を占めており、安定的な資産内容です。



負債の内訳を見ると、有利子負債は30%です。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は45.2億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.55になり、現時点でNCAV式ネットネット株に該当しています。



固定資産では、三井住友FGなど14銘17.9億円分の上場株式を保有し、安全域の拡大に寄与しています。
NNWC式や、かぶ1000式でもネットネット株化しています。
NetCash | – |
NetQuick | 1.16 |
NCAV | 0.55 |
NNWC | 0.58 |
かぶ1000式 | 0.63 |
2017年にネットネット株指数が1.0を上回っており、指数の回帰性にある程度期待することができそうです。



NCAVは2019年以降、減少傾向にある点は要注意です。



1998年から2010年頃にかけての売上高は著しい減少傾向にありますが、2010年以降は横ばいで推移しています。



営業利益はマイナスの年も多く出ており、本業での儲けが出ておらず、経済的な「堀」が埋まっている状態です。



過去10年間で、BPSは90.97%に縮小しています。



ROEは極めて低水準にあり、マイナス値になることも多くあります。



純利益率はマイナス値を付けることが多くなっています。



営業キャッシュフローはマイナスに転落する年があり、フリーキャッシュフローもマイナスの年度が多くあります。



このようにキャッシュフローが不安定であるため、安定した株主還元策を期待することが困難ですが、自社株買いを実施中です。
1999年以降、無配を継続しています。



買収防衛策は導入されていません。
アクティビストのエフィッシモが4.22%保有しています。購入金額は350円前後と思われます。
また、光通信創業者の長男である重田光時氏も株式保有しています。
上限を5万株(発行済み株数の0.61%)、または2000万円とする自社株買いを4月1日から6月30日まで実施しています。
現金を多めに保有するネットネット株です。
売上高や営業利益は低迷しているうえ、BPSやNCAVも伸びておらず、購入候補にしにくい銘柄です。しかし、アクティビストのエフェッシモが大量保有している銘柄であり、今後の株主価値の向上策に注目していまます。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。