こんにちは、しーげる(@siegel)です。
NCAV式ネットネット株の1つにナカヨ (6715)という東証1部銘柄があります。
このナカヨは、最新の財務内容から、ネットネット株投資家として保有できる銘柄なのか、調べてみたいと思います。
以下の7つの要素を1つずつ確認してゆきます。
目次
ナカヨは、電話機や交換機の中堅メーカーです。
したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が37%を占めており、比較的安定しています。



負債の内訳を見ると、有利子負債はありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は97億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.65になり、現時点でネットネット株に該当しています。



流動資産外では、保有する土地に高換金性を有する土地は含まれていないようです。
一方、投資有価証券には、ミライトHD株など12銘柄27.9億円の株式を保有しており、安全域を厚くする点で寄与しています。
他のネットネット株指数を確認すると、NNWC式やかぶ1000式でも、ネットネット株指数が0.66を下回っています。
NetCash | 44.47 |
NetQuick | 0.98 |
NCAV | 0.55 |
NNWC | 0.56 |
かぶ1000式 | 0.65 |
2018年以前は、ネットネット株指数が1.0以上に達しており、ネットネット株指数の回帰性に期待できそうです。



ナカヨのNCAVは、微増傾向です。



売上高は横ばいで推移しています。



営業利益の推移を見ると、2010年以降は営業黒字を維持しています。



過去10年間のBPSは、1.35倍に成長しています。



ROEは低水準で推移しています。



当期純利益率を見ると、過去24年間で4回の最終損失を計上しています。



営業CFは大半の年でプラスを維持しています。
フリーキャッシュフローも多くの年でプラス圏をキープしています。



キャッシュフローが比較的安定しているため、業績が上向けば積極的な株主価値向上策を期待することができそうです。
2002年以降、無配年度はありません。配当利回りは3.62%です。



買収防衛策は導入されていません。
海外投資家割合は6.2%に留まっていることにくわえ、直近株主総会決議の賛成割合が81%に達しており、アクティビストの介入余地は乏しそうです。
光通信が5.15%の株式を保有しています。
現預金が厚く、有利子負債を持たないNCAV式ネットネット株です。投資有価証券も多く、NNWC式・かぶ1000式ネットネット株でもあります。
売上高・営業利益・ROEは伸びていませんが、NCAVやBPSは伸びているため、バリュートラップに陥っている可能性は乏しいように感じられます。
収益性は期待できませんが、資産内容と推移に注意を払いつつ保有を継続したい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。