3月2日時点でのNCAV式ネットネット株にSECカーボン(5304)という東証2部銘柄があります。
このSECカーボンは、最新の財務内容でも、ネットネット株投資家としてホールドできる銘柄なのでしょうか?
この記事では、以下の7つの視点から検討してみました。
目次
SECカーボンは、アルミ製錬用電極で世界シェア4割超を誇る独立系炭素製品の大手メーカーです。
したがって、個人的に投資を控えている不動産業や金融業銘柄ではありません。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が49%を占めており、安定的な資産内容です。



負債の内訳を見ると、有利子負債はありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は365億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.66になり、ネットネット株に該当しています。



流動資産以外の資産を確認すると、所有する土地の中には、高換金性を有するものは見いだせません。



一方、投資有価証券として、38銘柄81億円ほどを保有しており、安全域を厚く保つ点で寄与しています。
NCAV式だけでなく、NNWC式・かぶ1000式でもネットネット株指数1.0を下回っています。
NetCash | 1.64 |
NetQuick | 1.14 |
NCAV | 0.66 |
NNWC | 0.67 |
かぶ1000式 | 0.81 |
2020年以前には、ネットネット株指数が1.0を上回っており、指数の回帰性にある程度期待することができそうです。



NCAVは上昇傾向にあります。



したがって、バリュートラップに陥っている可能性は乏しそうです。
売上高の増減は激しいものの、長期的には上昇トレンドで推移しています。



営業利益は2016,2017年以外で黒字を維持しており、本業での儲けを出しています。



BPSは、過去10年間で1.65倍に成長しています。



ROEは、好況期には7%を超える水準に達しています。



2018年以降の純利益率は10%を超えています。



2000年以降、営業キャッシュフローはプラスを維持しています。
また、2013年以降、フリーキャッシュフローもプラスを維持しています。



このようにキャッシュフローが安定しているため、配当や自社株買いなどの安定した株主還元策を期待したいところです。
1998年以降、安定した配当実績を持っています。現在の配当利回りは3.44%です。



買収防衛策は導入されていません。
海外投資家の株主割合は6.9%であり、直近の株主総会決議の賛成割合は93%を超えているため、アクティビストの介入の気配はありません。
流動資産の半分を現預金が占め、有利子負債のない財務的に安定したネットネット株です。固定資産には広く分散された投資有価証券を保有しており、良質な資産バリュー銘柄と言えそうです。
売上高・営業利益・BPS・NCAVともに上昇基調にあり、ROEやキャッシュフローも比較的良好です。配当利回りも高めであり、ネットネット株の中では優良な銘柄と言えます。
したがって、最新の財務データで確認しても、依然として下値余地は乏しく、安心して保有できる銘柄と言えそうです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。