富士精工 (6142)の銘柄紹介 ― 割安な超硬工具メーカー

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

ネットネット株の常連企業に富士精工(6142)という名証2部銘柄があります。

富士精工は、1/12(水)に、22年2月期第3四半期(3-11月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比で20.6%の増収、営業利益は0.7億円の赤字から4.1億円の黒字を計上しています。併せて、今期経常利益を23%下方修正しました。

この富士精工は、ネットネット株投資家として、引き続き保有継続できる銘柄でしょうか?

この記事では、次の7つの視点をチェックしてゆきます。

①業種

富士精工は、トヨタ自動車向けを中心とする超硬工具専業メーカーです。

主に、自動車のエンジンやトランスミッション専用の特殊工具をオーダーメイドで設計制作しています。

エンジンやトランスミッションというEVでは採用されない工具を扱っているため、今後も逆風にさらされることになりそうです。

個人的に投資対象から外している不動産業や金融業銘柄ではありません

この記事では、比較対象銘柄として、総合超硬工具の大手メーカーであるダイジェット工業(6138)と、ダイヤモンド工具最大手の旭ダイヤモンド工業(6140)を取り上げます。

②ネットネット株指数

当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が48%を占めており、安定的です。

負債の内訳を見ると、有利子負債は16%に留まっています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は111.8億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.53になり、現時点でNCAV式ネットネット株に該当しています

続いて、所有する土地についても確認しておきます。

換金性の高い土地は所有していません

出典:「富士精工 2021年度有価証券報告書」

投資有価証券の主要3銘柄は以下のとおりです。2021年2月時点で、オリバーを保有していましたが、MBOが成立し、すでに現金化されているものと思われます。

NCAV式以外のネットネット株指数を確認すると、NNWC式でも、かぶ1000式でもネットネット株に該当しています。

NC2.28
NQ0.85
NCAV0.53
NNWC0.54
かぶ10000.63

③バリュートラップの危険性

2018年以前は、ネットネット株指数が1.0を上回っており、指数の回帰性に期待を寄せることができそうです。

NCAVは上昇傾向にあります。

④売上高・営業利益・BPS

1998年以降、売上高は緩やかな上昇傾向にあります。

類似企業を比較すると、他企業よりも売上高を順調に伸ばしています。

1998年以降の営業利益は、やや減少傾向で推移しています。

類似企業の営業利益率と比較すると、直近数年間は、他の会社よりもやや高めの営業利益率を維持していますが、低水準である点は変わりません。

BPSは上昇傾向にあります。

⑤ROE

ROEは、好況期には、7%を超えて推移しています。資本効率の課題をデュポン分解して探ってみます。

過去24年間で4回ほど最終損失を計上しています。

総資産回転率は0.7回程度です。

財務レバレッジは1.4倍程度です。

ROEの改善には、純利益率の向上が不可欠です。

⑥キャッシュフロー

営業キャッシュフローは大半の年でプラスを維持しており、フリーキャッシュフローも2013年以降、プラス圏を維持しています。

このようにキャッシュフローが安定的であるため、経営陣の方針次第では、増配などの株主還元策を期待できます。

2010年と2011年は無配に転落しています。

⑦株価

現在の株価は、過去3年間の最安値から7%しか上昇しておらず、ほぼ底値圏での推移です。

出典:SBI証券

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません

海外投資家の割合は0.8%に留まっており、直近株主総会決議の賛成割合も98%を超えています。そのため、アクティビストの介入は期待できません。

過去3年間で、代表取締役会長の森誠氏の株式保有割合が4.34%から2.90%に減少している点は気がかりです。他の親族の保有割合は増えていません。

また、自社持株会の保有割合も2.76%から2.60%に減少しています。少なくとも社内においては、現在の株価水準が割安だという見方が少数である可能性があります。

まとめ:

キャッシュリッチなNCAV式ネットネット株です。財務内容は良好であり、固定資産の投資有価証券が厚めです。

NCAV式ネットネット株指数は、過去5年間の最割安水準です。とはいえ、NCAVは増加傾向にあるため、バリュートラップに陥る可能性は高くありません。

自動車のEV化の影響により成長性は乏しい銘柄ですが、売上高や営業利益、BPSが著しく毀損していることはありません。

ROEは低迷しているもののキャッシュフローは安定しており、企業価値向上に向けた施策を講じる余地はありそうです。

株価水準は過去3年間の底値水準で推移しています。

昨年に自社株買いを行っていますが、さらなる自社株買いの実施や増配の実施などのカタリストが発動すれば、株価の水準訂正が生じるかもしれません。

名証ディスカウントも効いて割安に放置されていますが、僅かなカタリストで水準訂正の生じる可能性を感じるため、今後もホールドして問題ない銘柄であると考えています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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