2021年に読んだお薦め書籍10冊(前編)

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

読書メモなどを振り返ると、昨年2021年は、仕事関連や小説、再読の書籍を含め50冊超の本を読んでいました。

その中で、皆さんにご紹介したいお薦めの書籍10冊を、2日に分けてご紹介します。

初日の今回は、昨年読んだ本の中から、投資との向き合い方に役立ちそうな書籍2冊と、ネットネット株投資を継続する上で必要な知識を補ってくれる書籍3冊をご紹介します。

明日の記事では、アクティビスト関連の名著や他の投資関連書籍、その他の面白かった書籍をご紹介する予定です。

①『究極の鍛錬』

投資本ではありませんが、満足できる結果が得られていない時に読むと道が開けそうな本です。

この本で、著者は、世界レベルの優れた偉業は才能ではなく、知能や記憶力でもなく、「究極の鍛錬(Deliberate Practice)」によって生み出される、と主張しています。

この「究極の鍛錬」とは、

  1. 指導者が設計した体系立った鍛錬メニュー
  2. 自分の弱点を繰り返し練習すること
  3. その直後に受けるフィードバック
  4. 能力向上のために徐々に高くなる課題設定
  5. けっしておもしろくはない訓練内容

が含まれます。

優れた偉業を達成するには、十年ルールと言われるような一定以上の累積訓練量が求められるため、「究極の鍛錬」を人より早く始めること(幼児教育の重要性)や卓越した水準を生涯にわたり継続して維持すること(生涯教育の重要性)が必要である、とのこと。

投資においても、上記5要素を満たした「究極の鍛錬」を早期から継続できれば、優れたリターンを得られる、という期待を抱かせてくれる良書です。

②『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

皆さんご存知のマイケル・サンデル氏(Michael J. Sandel)の新刊です。行き過ぎた能力主義に対して警鐘を鳴らしており、次の結論に全てが表現されています。

われわれはどれほど頑張ったとしても、自分だけの力で身を立て、生きているのではないこと、才能を認めてくれる社会に生まれたのは幸運のおかげで、自分の手柄ではないことを認めなくてはならない。自分の運命が偶然の産物であることを身にしみて感じれば、ある種の謙虚さが生まれ、こんな風に思うのではないだろうか。「神の恩寵か、出自の偶然か、運命の神秘がなかったら、私もああなっていた」。そのような謙虚さが、われわれを分断する冷酷な成功の倫理から引き返すきっかけとなる。能力の専制を超えて、怨嗟の少ない、より寛容な公共生活へ向かわせてくれるのだ。

『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

仕事でも投資でも、順調に進んでいる時こそ、けっして忘れてはならない考え方だと思います。

③『新版 バリュー投資入門』

ブルース・グリーンウォルドがコロンビア大学ビジネススクールで教えてきたバリュー投資の講義が土台となった本です。グレアム・ドッドの伝統を継ぐ投資家が、

  • どのように望ましい株式を検索するか?
  • どのように望ましい株式を適切に評価するか?
  • どのように正しい行動に時間を費やすべく調査戦略に磨きをかけるか?
  • どのように資金を永久に失わないようにするリスク管理を行うか?

・・・といった基本的、かつ重要な情報が体系だって解説されています。

また、バリュー投資家は専門特化すべきであること、さまざまな業種や地域からなる30以上の銘柄分散をすべきことなど、王道とも言えるバリュー投資法を確認することができます。バリュー投資家必読の教科書です。

④『実践ディープバリュー投資』

オランダ人投資家であるイェルン・G・ボスがディープバリュー投資のための企業分析方法を豊富な事例を交えて説明しています。

著者のボス氏の主張で興味深いのは、できる限り利益を伸ばすべきだ、としている点です。ネットネット株を始めとするディープバリュー投資家の多くは、正味流動資産相当の時価総額に達した水準で利益を確定しますが、「再び安定的に利益が出るようになるのを待つ」ことを勧めています。

この本を読めば、パフォーマンス向上に役立つヒントが得られるかもしれません。

⑤『価値のための会計』

著者であるコロンビア大学ビジネススクール教授のS.H.ペンマン教授は、本書の中で、グレアム以来のファンダメンタルズ投資の基本原則を次の10要素に整理しています。

  1. 人は株式を買うのではなく、ビジネスを買う。
  2. ビジネスを買うときは、そのビジネスについて知りなさい。
  3. 価格は支払うものであり、価値は手に入れるものである。
  4. 投資には、過剰な対価を支払うというリスクがつきまとう。
  5. 危険を覚悟したうえで情報を無視しなさい。
  6. 知っていることを理解し、知っていることと推測とを混同してはならない。
  7. バリュエーションのアンカーは、推測にではなく、知っていることに降ろしなさい。
  8. 成長に過剰な対価を支払うことに注意しなさい。
  9. 価格を吟味するために価値を計算する際には、その計算過程で価格を使用することに注意しなさい。
  10. ファンダメンタルズに戻りなさい。価格はファンダメンタルズに引き寄せられていく(ただし、それにはしばらく時間がかかる)。

本書では、こうしたファンダメンタル投資の考え方に、現代のファイナンス理論の考え方をどのように融合させることができるか、論じられています。

この書籍の結論として、「賢明なる投資家」の特徴について次のようにまとめられています。

  • 投資のリスクは過剰な対価を支払うリスクであることを理解しているので、価値と価格との違いを理解しようとする。
  • 良識的なファンダメンタリストの原則を守るだけでなく、現代ファイナンスの原則も尊重する方法で価値を決定しようとする。
  • 投資の問題を不確実性への対応策の1つとして考えているが、現代ファイナンスのリスク分析ツールの多くはこの作業には適していないことをわかっている。
  • 会計上の価値と推測価値を区別する。
  • 現金は必ずしも価値をもたらさないので、現金主義会計ではなく発生主義会計の観点から考える。
  • 帳簿価格が将来どうなるか、そして帳簿価格に対するリターンはどのようになるかという観点から価値を考えている。
  • 推測が成長の見通しを中心に展開することを理解しており、成長に対価を支払うことには懸念を抱いている。
  • 売上高の成長、資産の成長、あるいは利益の成長に対価を支払うのではなく、残余利益の成長にだけ対価を支払う。
  • レバレッジを取り除いたビジネスの会計に焦点を当てているため、レバレッジをかけても価値がない成長には対価を支払うことを避ける。
  • グロース投資とバリュー投資の違い、またどちらがよりリスクの高い取り組みであるかを理解している。
  • 不確実性がある程度解消されるまでは価値を計上することを拒む。

この書籍を通読すれば直ちにリターンが向上するとは思いませんが、グレアム流のバリュー投資への理解を一層深め、自信を持って投資を継続するうえで役立つ一冊です。


ここまで、 投資との向き合い方に役立ちそうな書籍2冊と、ネットネット株投資を継続する上で必要な知識を補ってくれる書籍3冊 をご紹介しました。

次回は、アクティビスト関連の名著や他の投資関連書籍、その他の面白かった書籍をご紹介したいと考えています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

1 COMMENT

my20001

おはようございます。

リクエストした書評について、ご紹介いただき、ありがとうございました。
早速、本屋を物色してこようと思います。

年末の資産棚卸しとともに、割安株生け簀(笑)も確認していたのですが、9885が早くも?買いに入れそうな水準に下がっています。
純資産に毀損のないことが前提ですが、市場が下押しした際に、連れ安するようなことがあれば、再度注目かもしれません

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