こんにちは、しーげる(@siegel)です。
ネットネット株の1つに共和工業所 (5971)というJASDAQ銘柄があります。
この共和工業所は、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?
以下の7つの観点から、考慮してみました。
目次
共和工業所は、コマツ向け中心に高強度ボルトで高シェアを誇るボルト専門メーカーです。
したがって、不動産業や金融業銘柄ではありません。
この記事では、比較対象銘柄として、杭圧入引抜機のトップ企業である技研製作所(6289)、破砕・解体用建機メーカーのオカダアイヨン(6294)を取り上げます。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が49%を占めており、安定的です。



負債の内訳を見ると、有利子負債は14%程度です。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は84億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.65になり、現時点でNCAV式ネットネット株に該当します。



NCAV式に加えて、NNWCやかぶ1000式でもネットネット株水準に達しています。
NetCash | 1.99 |
NetQuick | 0.93 |
NCAV | 0.65 |
NNWC | 0.64 |
かぶ1000 | 0.61 |
2019年以前はネットネット株指数が1.0以上に達しており、指数の回帰性に期待することができそうです。



一方、NCAVは拡大傾向にあります。



売上高は拡大傾向です。



類似企業の売上高を比較すると、3社ともに同じような伸び幅になっています。



営業利益もまた、伸び悩んでいますが、1998年以降、営業赤字を計上した年度がない点は評価できます。



類似企業の営業利益率と比較すると、最も低水準に陥っています。



BPSは過去10年間で1.51倍に拡大しています。



ROEは、好況期では7%を超える程度の水準に達しています。資本効率の内容をデュポン分解して探ってみます。



純利益率は5%以上に到達している年が多く、ある程度の収益性を確保しています。



総資産回転率は0.6回程度で推移しています。



財務レバレッジは1.2倍程度に抑制されています。



2000年以降、営業キャッシュフローは安定してプラスで推移しています。また、フリーキャッシュフローも2013年以降、安定してプラス圏を維持しています。



キャッシュフローが安定しているため、配当や自社株買いなどの安定した株主還元策を期待することができそうです。
配当実績を見ると、安定して配当が支払われています。



現在の株価は、過去3年間安値からは41%程高い水準で推移しているため、底値圏とは言えません。



買収防衛策は導入されていません。
大株主リストの中には、光通信(6位)やBBHフィデリティ・ロープライスドストックファンド(8位)が名前を連ねています。
海外投資家割合は9.2%に留まっており、直近株主総会決議の賛成割合は90%を超えていることから、アクティビストの介入余地の乏しい銘柄と言えます。
ネットネット株指数的には割安な銘柄です。資産内容も現預金が多く安定的ですし、ROEやキャッシュフローは好ましい数値が維持されています。
株式市場全体の暴落時などに購入候補としておきたい銘柄の1つです。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。