東京汽船(9193)の銘柄紹介 ― 東京湾内の曳船大手企業は買いか?

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

ネットネット株候補の1つに東京汽船 (9193)という東証2部銘柄があります。

この東京汽船は、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?

この記事では、次の8つの視点をチェックしてゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

東京汽船は、東京湾内の曳船(エスコート)サービス会社です。

したがって、不動産業や金融業銘柄ではありません

この記事では、比較対象銘柄として、伊豆七島への生活・観光航路を独占する東海汽船(9173)と、内航・フェリーを主力とする川崎近海汽船(9179)を取り上げます。

②時価総額が100億円以下か?

10月20日(終値:615円)の時価総額は61.6億円で、値動きの軽い小型株です。

③ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が79%を占めており、安定的です。

負債の内訳を見ると、有利子負債は47%程度に達しています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は57.3億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は1.08になり、現時点でネットネット株に該当していません

とはいえ、NNWC式ではネットネット株指数が0.73になり、もう一押しあった場合に、購入対象になり得る割安さです。

NC2.06
NQ1.25
NCAV1.07
NNWC0.73
かぶ10000.91

④好況期にネットネット株指数は1.0を回復しているか?NCAVは縮小していないか?

2016年以降のネットネット株指数の推移を見ると、現在の水準はまったく割安に感じられません。

NCAVは2019年をピークに減少傾向にあります。

⑤過去20年間の売上高・営業利益は同業他社と比較して縮小していないか?

1998年以降、売上高は緩やかな減少傾向にあります。

類似企業を比較すると、川崎近海汽船の売上高には及びません。

コロナの影響により、1998年以降初めて、2021年の営業利益が赤字転落しました。

類似企業の営業利益率と比較すると、直近で東京汽船が最も落ち込んでいます。

⑥好況期のROEが7%以上あり、直近10年間で自己資本が1.5倍以上成長しているか?

ROEは低下傾向にあり、2007年を最後に7%を超えたことがありません。資本効率の課題をデュポン分解して探ってみます。

1998年以降では、2021年に初めて、最終損失を計上しました。

総資産回転率は0.4回程度です。

財務レバレッジは1.3倍程度です。

純利益率を上昇させることに加えて、総資産回転率の改善が急務です。

自己資本は、過去10年間で、32.2%拡大しています。

⑦営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローがプラスを維持しているか?

営業キャッシュフローはプラスを維持しています。

また、大半の年でフリーキャッシュフローがプラス圏に留まっています。

このようにキャッシュフローが比較的安定しているため、業績改善の見通しが立つ際には、配当などの安定した株主還元策を期待できます。

1998年以降、配当実績を有しています。

⑧株価は過去3年間の底値圏にあるか?

現在の株価は、過去3年間の最安値から8.7%しか上昇しておらず、ほぼ底値圏と言えます。

出典:SBI証券

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません。

BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンドが8.1%の株式を保有しています。

まとめ:

現時点でネットネット株に該当しませんが、キャッシュリッチな資産バリュー株です。

コロナの影響により、一時的に業績が悪化し、株価が3年間の底値圏で低迷しているものの、アフターコロナでは業績改善を期待する買いが入る可能性もあります。

もう一押しするようなことがあれば、NNWC式のネットネット株圏内での購入を前向きに検討したい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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