中北製作所 (6496)の銘柄紹介 ― 船舶をメインとするバルブメーカー

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

長い間、ネットネット株に名を連ねてきた中北製作所(6496)という東証2部銘柄があります。

中北製作所は、10/12(火)に、22年5月期第1四半期(6-8月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比で17.2%の減収、営業利益は80.1%の減益を計上しています。

この中北製作所は、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?

この記事では、次の8つの視点をチェックしてゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

中北製作所は、動調節弁のトップ企業で、船舶用では遠隔操作装置まで一括製造する唯一のメーカーです。

したがって、不動産業や金融業銘柄ではありません

この記事では、比較対象銘柄として、船舶用ディーゼル機関専業メーカーのジャパンエンジン(6016)と、中小型船用エンジンの老舗メーカーの阪神内燃機工業(6018)を取り上げます。

②時価総額が100億円以下か?

10月12日(終値:2,575円)の時価総額は98.7億円で、値動きの軽い小型株です。

③ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、売上債権が36%を占めていますが、海外売上高比率は14.7%に留まっているため、大きな懸念点ではありません。

負債の内訳を見ると、有利子負債は24%です。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は143億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.69になり、現時点でネットネット株に該当していません

今回の決算により非ネットネット株したわけですが、これは主に、一部の「有価証券」(流動資産)を「投資有価証券」(固定資産)に振替えられているためです。

なお、他類型の式でもネットネット株に該当していませんが、NC式・NQ式以外では1.0を下回っており、引き続き、割安な状態を保っています。

NC20.27
NQ1.32
NCAV0.69
NNWC0.71
かぶ10000.71

④好況期にネットネット株指数は1.0を回復しているか?NCAVは縮小していないか?

2016年以降、ネットネット株指数が1.0を上回ったことはなく、バリュートラップに陥っている可能性が高いように思えます。

NCAVは上昇傾向にあります。

⑤過去20年間の売上高・営業利益は同業他社と比較して縮小していないか?

1998年以降、売上高は増加していません。

類似企業を比較すると、業界全体が厳しい状況に置かれていることが窺えます。

1998年以降、毎年、営業黒字は確保しています。

類似企業の営業利益率と比較すると、他の会社よりも安定した営業利益率を維持しています。

⑥好況期のROEが7%以上あり、直近10年間で自己資本が1.5倍以上成長しているか?

ROEは、2009年を最後に、7%に達していません。資本効率の課題をデュポン分解して探ってみます。

過去24年間、最終損失を計上した年がない点は評価できます

総資産回転率は低下傾向にあります。

財務レバレッジは1.2倍程度です。

ROEの改善には、総資産回転率の向上が必要です。

自己資本は、過去10年間で、23.2%拡大しています。

⑦営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローがプラスを維持しているか?

営業キャッシュフローは2010年以降プラスを維持しており、フリーキャッシュフローも2014年以降、プラス圏を維持しています。

このようにキャッシュフローが安定的であるため、配当などの安定した株主還元策を期待できます。

1998年以降、安定した配当支払実績があります。

⑧株価は過去3年間の底値圏にあるか?

現在の株価は、過去3年間の最安値から32.8%程度上昇した水準で推移しているため、底値圏とは言えません。

出典:SBI証券

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません。

まとめ:

科目振替による流動資産の減少により、NCAV式のネットネット株には該当しないことになりました

売上高や営業利益率、自己資本の推移は芳しくなく、ROE的にも魅力は乏しい銘柄です。とはいえ、キャッシュフローは安定していることから企業価値向上に向けた施策を講じる余地がありそうです。

市場全体の暴落時など、チャンスがあれば、ポートフォリオに組み入れておきたい銘柄の1つです。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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