フジックス(3600)の銘柄紹介 ― 割安な縫い糸メーカー

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

ネットネット株の1つにフジックス(3600)という東証2部銘柄があります。

このフジックスは、ネットネット株投資家として、購入し得る銘柄なのでしょうか?

この記事では、次の8つの視点をチェックしてゆきます。

①不動産業・金融業銘柄に該当しないか?

フジックスは、家庭用で高シェアを誇る縫い糸の国内最大手メーカーです。

したがって、不動産業や金融業銘柄ではありません

この記事では、比較対象銘柄として、紡績の名門企業であるシキボウ(3109)と手芸用品店「クラフトハートトーカイ」などを全国展開する藤久(9966)を取り上げます。

②時価総額が100億円以下か?

9月17日時点(終値:1,571円)の時価総額は23.1億円で、理想的な超小型株です。

③ネットネット株指数[時価総額/正味流動資産(NCAV)]が0.66以下か?

当企業の流動資産の内訳を見ると、棚卸資産が41%を占めており、やや注意を要します。

負債の内訳を見ると、有利子負債はありません

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は53.2億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.43になり、現時点で非常に割安なNCAV式ネットネット株に該当します。

なお、他の類型のネットネット株指数は以下のとおりです。

指数
Net Cash1.821
Net Quick1.528
NNWC0.476
かぶ1000式0.726
NCAV0.433

現預金や売上債権の割合が少ないため、NetCashやNetQuick式では割安に感じられません。

④好況期にネットネット株指数は1.0を回復しているか?NCAVは縮小していないか?

2016年以降、ネットネット株指数が1.0を上回ったことがなく、バリュートラップに陥っている可能性の高い銘柄です。

NCAVは過去10年間で拡大していません。

⑤過去20年間の売上高・営業利益は同業他社と比較して縮小していないか?

売上高は伸び悩んでいます。

類似企業の売上高と比較すると、藤久に大きく劣後しています。

営業利益は、過去10年間、ほとんど出しておらず、「経済的な堀」が埋まっている状態です。

類似企業の営業利益率と比較しても、フジックスの利益率はもっとも低迷しています。

⑥好況期のROEが7%以上あり、直近10年間で自己資本が1.5倍以上成長しているか?

ROEは、負の値で推移することも多くなっています。資本効率の課題をデュポン分解して探ってみます。

純利益率は、過去24年間に8回の最終損失を計上しています。

総資産回転率は0.55回程度で推移しています。

財務レバレッジは1.2倍程度です。

ROEの改善には、純利益率の向上が不可欠です。

自己資本は横ばいで推移しており、過去10年間で1.07倍程度の拡大幅です。

⑦営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローがプラスを維持しているか?

営業キャッシュフローは、多くの年でプラスを維持しています。

一方、フリーキャッシュフローはマイナスに転落する年も見られます。

フリーキャッシュフローは安定していないため、配当などの株主還元策を拡充することは期待できそうにありません。しかし、1998年以降、無配に転落した年はありません。

⑧株価は過去3年間の底値圏にあるか?

現在の株価は、過去3年間の最安値から19.6%程度上昇した水準で推移しているため、もう一押しした水準では底値圏ということができそうです。

出典:SBI証券

その他の特記事項

買収防衛策は導入されていません。

まとめ:

NCAV式ネットネット株指数的には割安な銘柄です。しかし、流動資産に棚卸資産が多く含まれている点には注意が必要です。

また、営業利益率が低く、ROE的にも魅力の乏しい銘柄です。

株価が下がった局面で丁寧に拾うことを心がけるなら、失敗する可能性の低い銘柄だと思いますが、個人的には購入したい銘柄には感じられません。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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