フォスター電機 (6794) ― 割安なアップル関連株

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

ネットネット株の中にフォスター電機 (6794)という東証1部上場銘柄があります。

このフォスター電機は、7/29(木)に、2022年3月期第1四半期(4-6月)の決算を発表しました。昨年同期比で、売上高は18.3%の増収、営業利益は5.07億円の赤字から5.11億円の赤字へと赤字幅が拡大しました。

このフォスター電機はネットネット株投資家として、引き続き保有できる銘柄なのでしょうか?

以下の5つの要素を1つずつ確認してゆきます。

①業種

フォスター電機は、音響・車載用スピーカー部品・製品の専業メーカーで、米アップル向けに同梱イヤホンを供給していることでも知られるメーカーです。

したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。

この記事では、フォスター電機の同業他社として、電子部品大手のアルプスアルパイン(6770)、音響システム大手のTOA(6809)と比較してゆきます。

②企業規模

時価総額は226億円で、ネットネット株界隈では大きめの銘柄です。

売上高は2014年から2018年にかけて1,500億円を超えて推移していましたが、現在では1,000億円を割り込んで推移しています。

同業2社と比較すると、2010年以降のフォスター電機の伸びは素晴らしいものですが、2018年以降失速しています。

営業利益の変動は大きいものの、一度も営業赤字を計上していない点は評価できます。

同業2社と比較すると、営業利益率の推移はフォスター電機が劣後しています。売上が急成長していた2014年から2018年にかけても4%前後に留まっており、アップルなど販売先との取引が低採算であったことを窺わせます。

過去10年間で自己資本は1.52倍ほど成長しています。

③割安性

当企業の流動資産の内訳を見ると、棚卸資産が36%を占めています。

負債の内訳を見ると、有利子負債は27%です。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は376億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.60になり、現時点でネットネット株に該当していま

続いて、NCAVの過去10年間の推移を見ると、2014年以降は伸び悩んでいます。

2019年以前は、ネットネット株指数1.0(グレーの線)以上で推移しており、株価回復力に期待を寄せたいところです。

株価は過去3年間の底値圏である900円前後で推移しています。

このようにネットネット株指数の絶対値、過去のネットネット株指数、株価水準などに照らすと、十分に割安といえる水準です。

④資本効率性

ROEは減少傾向にあります。資金効率の問題点をデュポン分解して探ってみます。

当期純利益率はマイナス圏に突入しており、競争優位性の決定的な低さを窺わせます。

総資産回転率は急速に悪化し、1.0回に近接しています。

財務レバレッジは1.5倍程度に抑制されています。

こうして見ると、競争優位性や価格決定権の弱さがあるためか、純利益率が非常に低く、そのために資本効率性が低水準に留まっているように見受けられます。

⑤株主還元

営業CFの減少により、フリーキャッシュフローがマイナスに陥ることも多く、株主還元余力が乏しいように感じられます。

配当実績を見ると、増配と減配を繰り返しながらも、配当が支払われており、1998年以降無配の年はありません

現在の配当利回りは2.21%であり、配当性向の推移から見ても継続的な増配を行う余力はなさそうです。

なお、買収防衛策は導入されていません

まとめ

産業機器メーカーであるため、景気動向によって株価が大きく変動するシクリカル銘柄です。

企業規模はネットネット株にしてはやや大きめの銘柄です。

ネットネット株指数・株価的には割安な銘柄ですが、純利益率が低いため、資本効率性に魅力がありません。また、フリーキャッシュフローや配当性向の推移、株主構成から見ても、株主還元が積極的に講じられることを期待できません。

ただ、割安であることは間違いありませんし、下値は限定的ですから、この時期に少しずつ集めて、2-3年後に目標株価1,500円前後に達することを待つ、という戦略は取れる銘柄だと思います。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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