大阪製鐵 (5449)の銘柄紹介 ― 割安な日本製鐵子会社は買いか?

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

ネットネット株圏内に出入りしている銘柄の中に大阪製鐵 (5449)という東証1部銘柄があります。

この大阪製鐵は、7/29(木)に第1四半期決算を発表しました。昨年同期比で、売上高は10.8%の増収、営業利益は2.4倍の増益でした。

現在、大阪製鐵を保有していますが、ネットネット株投資家として引き続き保有を継続できる銘柄なのか、調べてみたいと思います。

以下の5つの要素を1つずつ確認してゆきます。

①業種

大阪製鐵は、日本製鉄系電炉の中核企業で、一般形鋼やエレベーター用レールで高シェアを誇っています。

したがって、投資対象から外すことにしている金融や不動産銘柄には該当しません。

この記事では、大阪製鐵の同業他社として、同じく日本製鐵系の大手電炉メーカーである合同製鐵 (5410)と、独立系の電炉である東京製鐵 (5423)と比較してゆきます。

②企業規模

時価総額は506億円で、材料に対して値動きが軽い銘柄ではありません。

売上高はわずかながら上昇傾向にあるようです。

電炉業界は苦戦しているようで、売上高は伸び悩んでいます。同業2社と比較すると、合同製鐵には及びませんが、東京製鐵を上回る売上高を維持しています。

営業利益は伸びていませんが、2001年以降,営業黒字を維持している点は評価できます。たとえば、2010年は前年と比較して売上高が半減しているにもかかわらず、営業黒字を維持している点は驚異的です。

営業利益率は、同業2社とほぼ同じ水準ですが、シクリカル銘柄にしては変動が少ない銘柄です。

自己資本は一貫して伸びていますが、過去10年間で自己資本は1.21倍の成長に留まっています。

③割安性

当企業の流動資産の内訳を見ると、親会社の日本製鐵への預け金を含む現預金が53%を占めています。

負債の内訳を見ると、有利子負債が50%を占めています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は716億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.71になり、現時点(7/29終値1,196円)ではネットネット株に該当していません

ちなみに、同業2社のネットネット株指数を調べると、合同製鐵は負債が流動資産を上回り負の値東京製鐵は3.38となっており、大阪製鐵の割安度は突出しています。

続いて、大阪製鐵のNCAVの過去10年間の推移を見ると、ほぼ横ばいの状態になっています。

2019年以前はネットネット株指数が1.0以上で推移しており、ネットネット株指数と株価の回帰性に期待を寄せることができます。

現在の株価1,100円台は、過去3年間の底値圏と言えそうです。

ネットネット株指数はやや上がってしまいましたが、株価的には割安な水準です。

④資本効率性

ROEは好況期には7%を超えていますが、2021年は0.61%に落ち込んでおり、資本効率性が変動しやすい企業です。その要因を探るため、資金効率の内容をデュポン分解してみます。

当期純利益率を見ると、最終損失を計上していない点は評価できますが、5%以下の低水準で推移しています。

総資産回転率は0.4回程度に留まっています。

財務レバレッジは1.3倍程度です。

当期純利益や総資産回転率が低下しているためROEが伸びていません。

⑤株主還元

フリーキャッシュフローがプラスを維持しておらず、安定的な株主還元策を講じることが難しそうです。

営業CFはプラスを維持しており毎年確実に本業での儲けを出していることを示唆しています。

2016年から2020年にかけて財務CFがプラスになっており、借入を増やしている様子を伺えますが、売上高の増加やFCFの安定的な増加には寄与していません。

配当実績を見ると、増配と減配を繰り返しながら配当が支払われています。

配当利回りは0.59%であり、30%程度の配当性向を維持しています。最終利益が上がらない限り、継続的な増配の可能性は乏しいように思われます。

買収防衛策は導入されていません

なお、株主優待として100株を保有する株主に対して1,000円のクオカードを出していますが、個人株主を増やしてアクティビストの介入を防ごうとする消極的な買収防衛策の意味合いがあるのかもしれません。

株主構成を見ると、日本製鐵が60.62%の株式を保有しています。500億円を超える資金を親会社の日本製鐵に預け入れており、資本効率性の悪化という親子上場の弊害が表れているように感じられます。

キャッシュフロー的には、継続的な増配や自社株買いは厳しいように思いますが、親子上場解消というカタリストを期待したくなる銘柄です。

まとめ

売上高・営業利益ともに伸びておらず、苦戦しています。

ネットネット株指数的には割安域を脱していますが、株価的には割安な水準です。

純利益の低迷によりROEは伸びておらず、フリーキャッシュフローがマイナスの年も多くありますが、親子上場解消というカタリストをかすかに期待させる銘柄です。

上記の点を考慮すると、保有を継続してゆきたいと考えています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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