こんにちは、しーげる(@siegel)です。
最近、株価が下がりネットネット株化した銘柄に、キクカワエンタープライズ (6346)という東証2部銘柄があります。
このキクカワエンタープライズはネットネット株投資家として保有できる銘柄なのか、調べてみたいと思います。
以下の5つの要素を1つずつ確認してゆきます。
目次
キクカワエンタープライズは、半導体基板加工機、NC加工機などの工作機械も展開する製材・木工機械最大手メーカーです。
したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。
この記事では、キクカワエンタープライズの同業他社として、太平製作所(6342)と比較してゆきます。
時価総額は50億円で、比較的急騰しやすい小型株です。
売上高は、50億円を挟んで横ばいが続いています。



同業の太平製作所と同じような売上高の推移をたどっています。



営業利益は上昇傾向にあります。



2019年以降の営業利益率は、太平製作所を上回って推移しています。



自己資本は過去10年間に1.69倍に拡大しています。



時価総額・売上高・営業利益・自己資本ともにまずまずの状態です。
当企業の流動資産の内訳を見ると、現金預金が78%を占めており、とても安定的です。



負債の内訳を見ると、有利子負債はありません。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は76.5億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.66になり、現時点ではネットネット株に該当します。



ちなみに、同業の太平製作所のネットネット株指数は0.83となり、キクカワエンタープライズのほうがディープバリューと言えます。
続いて、キクカワのNCAVの過去10年間の推移を見ると、順調に拡大しています。



2019年に、ネットネット株指数が1.0以上に達しており、株価の回帰性に期待を寄せることができそうです。



3,800円前後の現在の株価は、過去3年間の底値圏とも言える水準です。



このようにネットネット株指数的にも、株価水準的にも割安です。
ROEは向上しており、資本効率性は改善傾向です。資金効率の内容をデュポン分解して探ってみます。



当期純利益率を見ると、10%を超える水準で推移しています。



一方、総資産回転率は40%程度に留まっています。



財務レバレッジは1.2倍を切っています。



純利益は比較的良好ですが、総資産回転率の改善が待たれるところです。
フリーキャッシュフローは、2016年以降、プラスで推移しています。
また、営業CFは大半の年でプラスを維持しており、本業での儲けが出ています。



投資CFに対する営業CFの割合は100%に達していない年も見られますが、高水準の年も多くあり、設備投資に見合った価値創造力は発揮されていると考えられます。



財務CFはマイナスで推移しており、経営上必要なキャッシュを稼げており、配当などの株主還元が行われていることを示しています。
配当実績を見ると、増配傾向が続いています。



配当利回りは2.62%です。同業の太平製作所と比較すると配当性向が低いため、増配というカタリストが発動しやすい状態です。



買収防衛策は導入されていません。また、アクティビストのUnearth Internationalが大量保有しており、今後の株主還元策の拡充があるかに注目しています。
時価総額・売上高・営業利益・自己資本はまずまずです。
また、ネットネット株指数も株価も割安です。
資本効率性の観点からも、キャッシュフローの観点からも、アクティビストが保有している点からも、株主への還元策を期待する余地があります。
ネットネット株水準では保有しておきたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。