富士精工 (6142)の銘柄紹介 ― 割安な超硬工具メーカー

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

ネットネット株の1つに、富士精工 (6142)という名証2部上場企業があります。

この富士精工は、7/9(金)に、22年2月期第1四半期の決算を発表しました。売上高は昨年同期比で11.9%の増収、営業利益は0.8%の減益でした。

ネットネット株投資家として保有を継続できる銘柄なのか、調べてみたいと思います。

以下の5つの要素を1つずつ確認してゆきます。

①業種

富士精工は、トヨタなど自動車向けを中心とする超硬工具専業メーカー中堅企業です。

したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。

この記事では、富士精工の同業他社として、超硬工具専業メーカーのダイジェット工業(6138)、ダイヤモンド工具の専業メーカーである旭ダイヤモンド(6140)と比較してゆきます。

②企業規模

時価総額は60億円で、値動きの軽い銘柄です。

売上高は緩やかに伸びています。

同業のダイジェット工業や旭ダイヤモンドと比較しても、売上高が伸びている点は評価できます。

一方、営業利益は2009年、2010年、2021年に損失を計上しており、減少傾向にあります。

同業2社と比較すると、2018年頃まで旭ダイヤモンドやダイジェット工業に劣後していますが、この数年は2社よりも良い営業利益率をマークしています。

自己資本は過去10年間で1.78倍に拡大しています。

同業他社と比較して売上高が増加しており、自己資本も成長している点は評価できます。

③割安性

当企業の流動資産の内訳を見ると、現預金が46%を占めており安定的です。

負債の内訳を見ると、有利子負債は22%です。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は105億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.57になり、現時点でネットネット株に該当します

ちなみに、同業のネットネット株指数は、ダイジェット工業は流動資産よりも負債額が超過している状態のため算出不能、旭ダイヤモンドは1.75となり、富士精工の割安度は突出しています。

続いて、富士精工のNCAVの過去10年間の推移を見ると、きちんと拡大傾向にあります。

2018年以前はネットネット株指数が1.0以上に達しており、株価の回帰性に期待を寄せることができそうです。

1,300円台の現在の株価水準は、過去3年間の底値圏と言えます。

このようにネットネット株指数、株価水準から見て、十分に割安と評価できます。

④資本効率性

ROEは好況期に7%に達しています。資金効率の内容をデュポン分解して探ってみます。

当期純利益率は大きく変動していますが、3%前後で推移することが多くなっています。

一方、総資産回転率は70%前後であり、効率性に課題を抱えています。

財務レバレッジは1.5倍程度に抑制されています。

こうして見ると、純利益率を維持することにより、効率性を図っているようです。

⑤株主還元

フリーキャッシュフローは+5%を挟んで変動しています。

2012年以降、営業CFはしっかりプラスを維持しているので、本業で儲けが出ていることが分かります。

投資CFに対する営業CFの割合は2014年以降100%を超えており、設備投資に見合った価値創造力が発揮されています。

財務CFはほとんどの年でマイナスになっているため、経営上必要なキャッシュを稼いでいる上、配当などの株主還元が行われていることを伺えます。

実際、2010-11年を除いて、配当の支払実績があります。

配当利回りは2.51%であり、配当性向は30%弱で推移しているため、増配余力はあるように思えます。同業の旭ダイヤモンドよりも配当性向は控えめになっています。

買収防衛策は導入されていません。また、アクティビストの大量保有もないようです。

まとめ

同業他社と比較して、売上高・営業利益は順調であり、自己資本も伸びています。

また、ネットネット株指数や株価水準の観点からも割安といえます。

資本効率性の観点からも、キャッシュフローの観点からも大きな懸念点は見いだせません。

同業2社よりも魅力的な会計内容であるにもかかわらず割安であることは、名証2部ディスカウントが効いているためと考えられます。

これらの点を考慮すると、当面、保有を継続しておきたい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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