TBSホールディングス (9401)の銘柄紹介 ― 資産バリューのメディア企業は買いか?

こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。

資産バリュー株として知られる銘柄にTBSホールディングス (9401)という東証1部上場企業があります。

このTBSは、NCAV(流動資産-負債で正味流動資産を算出)式のネットネット株ではありませんが、投資有価証券や賃貸用不動産を多く所有しており、この投資有価証券や賃貸用不動産(時価✕0.65)を含めた正味流動資産は時価総額を大きく上回っています。

このTBSは、ネットネット株投資家として保有し得る銘柄なのでしょうか?

以下の5つの要素を1つずつ確認してゆきます。

①業種

TBSは、視聴率3位の民放キー局で、傘下に雑貨店「プラザ」などを持つメディア企業です。

したがって、個人的に投資対象から外している不動産業・金融業銘柄には該当しません。

②企業規模

時価総額が2895億円の大型株です。

売上高は増加傾向にあるものの、2020年以降伸び悩んでいます。

ただし、自己資本は過去10年間で2.3倍に拡大しています。

時価総額が大きい銘柄であるため、急騰を期待するような銘柄ではありませんが、自己資本が拡大している点は好印象です。

③割安性

TBSは、通常のNCAV式のネットネット株(流動資産から総負債を差し引いた正味流動資産で計算)ではなく、投資有価証券を正味流動資産に加味した、かぶ1000流のネットネット株です。

したがって、棚卸資産は計算に含めず、固定資産の投資有価証券や賃貸用不動産(0.65)を加味した正味流動資産で割安性を判断します。

まず、賃貸不動産を含む高換金性資産の内訳を見ると、投資有価証券が64%、賃貸用不動産(時価✕0.65)が20%に達しています。

ちなみに、この投資有価証券には東京エレクトロン株599万株、2800億円分が含まれています。東京エレクトロンの株価は高すぎるようにも思えますが、TBSの保有する東京エレクトロン株とTBSの時価総額がほぼ同額という異常な状態になっています。

また、TBSの保有する賃貸用不動産は、港区赤坂の赤坂サカスです。

負債の内訳を見ると、有利子負債が9%に留まっています。

高換金性資産から総負債を除いた正味流動資産は6977億円です。

時価総額を正味流動資産で割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.42になり、現時点では、ネットネット株相当の割安性は十分に有しています。

続いて、高換金性資産の過去10年間の推移を見ると、拡大傾向が続いています。

2014年以前、ネットネット株指数1.0水準を回復しており、株価の回帰性をある程度は期待できそうです。

1,600円台の現在の株価は、過去3年間の底値圏の水準と言えます。

出典:SBI証券

ネットネット株指数や株価水準に照らすと、割安感を覚えます。

④資本効率性

ROEは3%前後で推移しており、資本効率性の悪い企業です。ただし、最終損失を計上した年が2010年のみになっている点は評価できます。資金効率の内容をデュポン分解して探ってみます。

当期純利益率は8%を超えており、収益性は良好であり、経済的な「堀」を持った企業と言えます。

しかし、総資産回転率は40%を切っており、効率性が非常に悪い企業です。

財務レバレッジは1.4倍程度に抑制されています。

こうして見ると、収益性は良いものの、効率性を高める必要性を感じます。

⑤株主還元

フリー・キャッシュフローは+5%前後で推移しており、株主還元余力がありそうに見えます。

過去10年間、一定の配当が支払われており、自社株買いも行われています。

配当利回りは1.8%、配当性向は20%を切っており、増配余力は十分にあります。

買収防衛策は導入されています。また、外資規制があるため、海外アクティビストの介入は期待できません

まとめ

売上高が増加傾向にあり、純利益率も増加傾向にあります。

株価は下がってきていますし、含み資産や投資有価証券を加味したネットネット株指数的には、現在の水準はかなりの割安に思えます。

また、フリーキャッシュフローの観点からもさらなる株主還元策を取ることは可能に思えます。

株価が下がれば保有しておきたい銘柄です。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

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