こんにちは、しーげる(@siegel)です。
村上ファンドを率いた村上世彰氏は、「IRが悪く、キャッシュリッチで外国人持株比率が高い企業が投資対象だ」と語ったことがあります。
外国人持株比率が高い銘柄は、必然的に個人保有比率が低く、株式持合が低い傾向があるため、アクティビストの要求が経営者に受け入れられやすいと言えるのかもしれません。
そこで、この記事では、外国人持株比率の高いネットネット株と浮動株比率の低いネットネット株をランキング化しました。
コード | 銘柄 | 外国人 持株比率 | |
1 | 8881 | 日神グループHD | 25.6 |
2 | 6390 | 加藤製 | 25.5 |
3 | 8011 | 三陽商 | 22.5 |
4 | 7537 | 丸文 | 13.1 |
5 | 9885 | シャルレ | 11.9 |
6 | 8772 | アサックス | 10.5 |
7 | 8152 | ソマール | 8.8 |
8 | 7769 | リズム | 8.3 |
9 | 1793 | 大本組 | 7.7 |
10 | 3299 | ムゲンエステト | 7.5 |
11 | 6249 | ゲームカード・ジョイコ | 7.4 |
12 | 8877 | エスリード | 7.2 |
13 | 1734 | 北弘電社 | 6.7 |
14 | 5921 | 川岸工 | 6.4 |
15 | 8844 | コスモスイニシア | 5.1 |
16 | 7887 | 南海プライウッド | 5.0 |
17 | 5900 | ダイケン | 5.0 |
18 | 8046 | 丸藤パイル | 4.8 |
19 | 8249 | テクノアソシエ | 4.8 |
20 | 6496 | 中北製作所 | 4.5 |
21 | 7422 | 東邦レマック | 3.6 |
22 | 6416 | 桂川電機 | 3.2 |
23 | 3504 | 丸八HD | 3.2 |
24 | 3600 | フジックス | 3.1 |
25 | 8995 | 誠建設 | 2.8 |
26 | 6943 | NKKスイッチズ | 2.3 |
27 | 7314 | 小田原機 | 2.3 |
28 | 7871 | フクビ化学工業 | 2.1 |
29 | 6303 | ササクラ | 1.9 |
30 | 7427 | エコートレーディング | 1.8 |
31 | 5753 | 日伸銅 | 1.8 |
32 | 2917 | 大森屋 | 1.4 |
33 | 4957 | ヤスハラケミ | 1.3 |
34 | 2982 | ADワークスグループ | 1.2 |
35 | 8139 | ナガホリ | 0.8 |
36 | 6142 | 富士精工 | 0.6 |
37 | 7338 | インヴァスト | 0.3 |
38 | 5979 | カネソウ | 0.0 |
39 | 2137 | 光ハイツ・ヴェラス | 0.0 |
– | 8013 | ナイガイ |
日神グループHD(8881)の外国人持株比率が25.6%と全ネットネット株の中でトップでした。主だったアクティビストの名前は株主名簿から確認できませんが、BBHフィデリティ・イントリンシック・オポチュニティズFなどのバリュー系の海外投資家が大株主になっています。流動資産の半分程度を現預金で抱えている銘柄ですから、「キャッシュリッチ」という村上氏の条件にもかないます。
2位の加藤製作所(6390)の外国人持株比率は25.5%でした。一時期、シルチェスター系の日本バリュー・インベスターズが大量保有報告書を出すなど、アクティビストが注目している銘柄です。ただし、流動資産に占める現預金の割合が15%程度であり、「キャッシュリッチ」とは言えない銘柄です。
コード | 銘柄 | 浮動株 比率 | |
1 | 2137 | 光ハイツ・ヴェラス | 5.4 |
2 | 8249 | テクノアソシエ | 5.5 |
3 | 3504 | 丸八HD | 5.5 |
4 | 8881 | 日神グループHD | 6.0 |
5 | 4957 | ヤスハラケミ | 6.2 |
6 | 8772 | アサックス | 6.8 |
7 | 7871 | フクビ化学工業 | 7.3 |
8 | 8844 | コスモスイニシア | 8.1 |
9 | 5900 | ダイケン | 8.3 |
10 | 6249 | ゲームカード・ジョイコ | 11.9 |
11 | 1793 | 大本組 | 12.0 |
12 | 6416 | 桂川電機 | 12.2 |
13 | 6303 | ササクラ | 13.7 |
14 | 8139 | ナガホリ | 13.7 |
15 | 5979 | カネソウ | 13.7 |
16 | 8995 | 誠建設 | 13.9 |
17 | 7537 | 丸文 | 14.1 |
18 | 7338 | インヴァスト | 18.3 |
19 | 6496 | 中北製作所 | 19.0 |
20 | 5753 | 日伸銅 | 19.7 |
21 | 8152 | ソマール | 21.0 |
22 | 2982 | ADワークスグループ | 21.1 |
23 | 7314 | 小田原機 | 21.2 |
24 | 8011 | 三陽商 | 21.7 |
25 | 6142 | 富士精工 | 21.7 |
26 | 3600 | フジックス | 22.2 |
27 | 9885 | シャルレ | 22.4 |
28 | 8877 | エスリード | 22.5 |
29 | 3299 | ムゲンエステト | 23.1 |
30 | 6943 | NKKスイッチズ | 24.1 |
31 | 5921 | 川岸工 | 24.3 |
32 | 8046 | 丸藤パイル | 24.7 |
33 | 6390 | 加藤製 | 25.3 |
34 | 7887 | 南海プライウッド | 25.5 |
35 | 7769 | リズム | 26.9 |
36 | 7427 | エコートレーディング | 28.9 |
37 | 2917 | 大森屋 | 34.3 |
38 | 1734 | 北弘電社 | 42.7 |
39 | 7422 | 東邦レマック | 46.0 |
– | 8013 | ナイガイ |
浮動株とは、発行されている株式の中で、安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性の高い株式のことで、その多くが個人投資家によって保有されています。一般的に、個人投資家は経営参加のインセンティブが相対的に小さいため、外国人投資家などのモノ言う株主からの圧力から逃れたい経営者にとっては好都合の存在と言えます。「おとなしい」個人投資家を増やすため、株主優待を拡充する企業も多くありますが、統計的な分析によれば、株主優待で個人株主を増やした企業は業績が悪化し、株価下落につながりやすいと言われています。
たとえば、ランキング最下位の東邦レマック(7422)はQUOカードを株主優待として配っています。自社製品を配るのは理解できますが、QUOカードのような換金性の高い金券を配って経営者の与党株主を増やすことは、一種の買収防衛策であり、経営者の自己保身と言えると思います。
したがって、浮動株比率が少ない企業のほうが、企業価値を向上させる要求に応じる可能性が高いと言えるかもしれません。
このように株主構成のうち、外国人持株比率や浮動株比率に目を通すことは賢明な銘柄選択に役立つと考えています。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。