こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。
ネットネット株の上位常連銘柄に、丸文 (7537)という東証1部上場銘柄があります。
丸文は、独立系半導体商社で、医用・半導体用装置も取り扱っている企業です。個人的に投資を控える不動産・金融業銘柄ではありません。
2月12日に発表された第3四半期決算は、売上高が昨年同期比+2.3%の増収、最終益が▼20.5億円の赤字という内容でした。
現在の丸文は、ネットネット株投資家として、購入可能な銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、売上債権が45%を占めています。



一方、負債では、有利子負債が58%も占めています。



流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は329.3億円です。



時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.45になり、現時点で非常に割安なネットネット株に該当します。



まず、売上高は上昇傾向にあります。



当期純利益については、1997年以降3度の最終損失を計上しており、2021年は大幅な赤字予想が出ています。



1997年以降の平均ROEは3.67で、収益性の高い銘柄ではありません。



まず、BPS(一株当たり純資産)は、ほとんど積み上がっていません。



NCAVも伸び悩んでいます。



下のグラフは、2016年8月以降のネットネット株指数の推移です。



常にネットネット株指数1.0を下回る万年割安株であり、2018年夏以降、ネットネット株状態が継続しています。
有利子負債自己資本比率は100%を超えており、財務的には脆弱な状態にあります。



2002年以降の月足チャートを見ると、アベノミクス以降の底値水準で推移しています。



週足チャートによると、30週移動平均線の上で株価が推移しています。



日足チャートではレンジ相場が続いています。



テクニカル的には、割高ではないものの積極的な買いを促すようなシグナルも見られません。
ネットネット株指数は0.45であり、非常に割安なネットネット株です。
しかし、平均ROEは3.67と収益性は高くなく、BPSもNCAVも増えていません。
また、有利子負債が多く、テクニカル的には「買い」に入るタイミングではありません。
したがって、上記要素を考慮すると、ポートフォリオに組み入れることに抵抗を感じる銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。