こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。
ネットネット株の中にカノークス (8076)という名証2部上場銘柄があります。
カノークスは、トヨタなど自動車向けを中心とする鉄鋼商社の中堅企業です。
1月26日に、カノークスは、21年3月期第3四半期の決算を発表しました。売上高は昨年同期比で▼18.0%の減収、最終益は▼62.1%の減益となりました。
このカノークスは、ネットネット株投資家として魅力的な銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、現金預金が13%に留まっています。

一方、負債では、有利子負債が66%に達しています。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は110.9億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.64になり、ネットネット株に該当します。

売上高は2007年以降、110億円前後で横ばいで推移しています。

当期純利益については、2003年以降、最終損失を計上していない点は評価できます。

1997年以降の平均ROEは5.99であり、ネットネット株にしては収益性の高い銘柄です。

カノークスの財務トレンドはどのようなものでしょうか?
まず、BPS(一株当たり純資産)は成長トレンドをたどっています。

NCAVは、拡大を続けてきましたが、過去2年程減少しています。

下図は2016年以降のネットネット株指数の推移を示したものです。
2016年以降ほとんどの期間にわたり、ネットネット株指数が1.0未満の万年割安株ですが、2020年秋にネットネット株化しました。

流動比率は167%ですが、有利子負債倍率が常に0.5倍を超えて推移しており、財務面での不安を抱えます。

週足チャートで30日加重移動平均線を明確に超えてきており、上昇局面を迎えているようです。

ネットネット株指数は0.64でありネットネット株に該当しており、2016年以降で最も割安な水準に達しています。
2003年以降最終黒字を維持しており、テクニカル指標は株価上昇の初動を示唆しています。
有利子負債が多く財務面でのリスクを抱えているのが難点ですが、監視を続け、押し目では拾いたい銘柄です。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。