こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。
ネットネット株リストの中にカネソウ(5979)という名証2部上場銘柄があります。
カネソウは、マンホール蓋や排水金具、免震関連製品などの建築金具メーカーです。
先週、2月4日に第3四半期決算を発表し、売上高は▼13.2%の減収、最終益は▼55.6%の減益となりました。
このカネソウは、ネットネット株投資家として引き続きホールドし得る銘柄なのでしょうか?
①割安性・②収益性・③財務トレンド・④下方リスク・⑤テクニカル指標という5本のモノサシを使って、分析してみます。
目次
流動資産の内訳を見ると、現金預金の割合が68%に達しています。

一方、負債では、有利子負債はありません。

流動資産から総負債を除いたNCAV(正味流動資産)は99.8億円です。

時価総額をNCAVで割ったネットネット株指数(P/NCAV)は0.59になり、引き続き割安なネットネット株に該当します。

まず、売上高は、2001年3月期までは100億円を超えていましたが、減収傾向が続き、現在では70億円前後で推移しています。

当期純利益については、1997年以降、最終損失を計上したことのない点は評価できます。

1997年以降の平均ROEは2.6ですが、2004年頃から低迷しており、収益性の低い状態が続いています。

カネソウの財務トレンドはどのようなものでしょうか?
まず、BPS(一株当たり純資産)は横ばい状態が続いています。

NCAVも2014年以降、横ばい状態が続いています。

下図は2016年以降のネットネット株指数の推移を示したものです。
2016年以降、万年ネットネット株状態となっています。

毎年、利益を積み上げているにもかかわらず、BPSもNCAVも積み上がっておらず、やや不可解に思えます。
有利子負債はなく、流動比率は1554%と盤石です。
株価は過去5年間で比較的低い水準にありますが、出来高が少なく、テクニカル指標が機能しない状態です。

ネットネット株指数は0.59でネットネット株に該当していること、1997年以降最終赤字を計上していないこと、流動比率が1500%を超えていることなどは評価できます。
しかし、利益が出ているにもかかわらず、BPSもNCAVも横ばいが続いている点は気がかりであり、バリュートラップに陥っている可能性が高いと考えられます。
高利回りの定期預金感覚で投資するなら良い銘柄かもしれません。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。