ナイガイ(8013)の銘柄分析 ― 純資産勘定科目の振替処理についても考えてみました。

こんにちは、シーゲル(@siegelist1)です。

ネットネット株ランキングにランクインしている銘柄に、ナイガイ(8013)があります。

先月(2020年6月)前半に、ブログ読者の方から、このナイガイについて、次のようなご質問をいただきました。

ナイガイの純資産勘定科目の振替処理は何をやっているのか?

というのも、2020年3月19日に資本金と資本準備金の減少と、剰余金処分を発表しているのですが、この狙いは何か?という趣旨のご質問です。

このような読者からのご質問は大変勉強になり、ありがたく思っています。

とはいえ、なかなか調査に手間取り、記事にまとめるまで時間が掛かってしまいました。

この記事では、ナイガイはどんな企業なのか?本当に割安と言えるのか?をまとめた上で、純資産勘定科目の振替についてもまとめてみました。

ナイガイとは?:

ナイガイは靴下の老舗メーカーです。

大正9年(1920年)創業ということですので、今年でちょうど100年を迎えることになります。

コーポレートサイトによれば、「紳士・婦人・子供靴下、パンティストッキングなど繊維製品の企画製造販売及び輸出入」を事業内容としています。

最近の株価:

過去10年間の月足チャートを見ると、現在は過去10年の底値圏で推移しています。

出典・SBI証券

PBRは0.34倍です。

株主:

出典:SBI証券

筆頭株主は日鉄物産で9.9%の株式を保有しています。

買収防衛策は導入されていません。

業績:

売上高は170億円前後で推移しています。

2020年1月期の純利益は赤字を計上しています。

今回のコロナの影響により、2021年1月期以降、業績がどこまで落ち込むか、心配なところではあります。

配当:

残念ながら無配が続いています。

ネットネット株指数:

アパレルメーカーであるため、流動資産の内容は商品・製品が最も多いと思いましたが、意外にも現預金が厚く46%を占めています。

正味流動資産は、6か月前と比較して、4.8億円減少し、55億円でした。

時価総額29.2億円を、正味流動資産55億円で割ったネットネット株指数は「0.53」となり、割安なネットネット株ということになります。

純資産勘定科目の振替処理の狙いは?

さて、冒頭でもご紹介したとおり、読者の方から、

ナイガイの純資産勘定科目の振替処理は何をやっているのか?

というご質問をいただきました。

というのも、ナイガイ取締役会は、3月19日に、以下の決議を行いました。

  1. 資本金の額を76億9177万4485円から20億円に減資する。
  2. 資本金減少額の56億9177万4485円はその他資本剰余金に振り替える。
  3. 資本準備金(資本剰余金に含まれる)19億9735万8997円を5億4649万5344円にする。
  4. 資本準備金減少額14億5086万3653円はその他資本剰余金(資本剰余金に含まれる)に振り替える。
  5. その他資本剰余金のうち71億4263万8138円を繰越利益剰余金に振り替える。その結果、繰越利益剰余金は0円になる。

なぜ、こうした面倒な振替手続きを行うことにしたのでしょうか?

その目的について、

出典:2020年3月19日付 株式会社ナイガイ「資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関するお知らせ」

つまり、

  1. 現在生じている繰越利益剰余金の欠損を填補し、早期復配に向けた環境整備を行うこと。
  2. 今後の機動的かつ柔軟な資本政策に備えること。

という2つの理由が挙げられています。

1つ目の理由に挙げられている「繰越利益剰余金」とは、「会社のこれまでの利益の累積」+「当期の利益(損失)」を加算した金額のことです。

繰越利益剰余金がプラスであれば、その会社は設立してから利益の累計額が黒字ということになります。

したがって、繰越利益剰余金は株主への配当可能利益額であるともいえます。

しかし、ナイガイのようにこの科目がマイナスであれば、累積の利益は赤字ですので、配当はゼロになるのが自然です。(会社法上、配当を出すことは可能。)

それで、実際にナイガイが配当を出せる環境にあるかは分かりませんし、赤字になればすぐにこの科目はマイナスになりますが、将来的に配当を出すという明確な姿勢を打ち出すことは良いことだと思います。

2つ目の理由は、言い換えれば、決算書の数字が汚いから見栄えをよくしたい、という意味だと思いました。

上記はナイガイの2020年1月期の貸借対照表の一部ですが、

  • 資本金は20億円で切りがいい。
  • 利益剰余金のマイナスがなくなり、スッキリする。

・・・と見栄えがよくなっています。

貸借対照表上、貸倒引当金や自己株式の科目がマイナスになるのは当然なのですが、利益剰余金がマイナスは収まりの悪いものですので、この部分をゼロにしたい(マイナスを解消にしたい)という気持ちも理解できます

したがって、ナイガイの発表した純資産勘定科目の振替は、株式価値に変動を与える意味のある施策ではなく、あくまでも形式的なものだと個人的には考えています。

まとめ:

ネットネット株指数的には文句なしで割安です。

また、2020年3月に発表した、純資産勘定科目の振替処理も、株主価値を損なうものではありません

しかし、2020年1月期に最終赤字を計上していること、無配であること、不適切会計が相次いで発覚していることなどから、個人的には手を出しにくい銘柄となっています。

今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください