こんにちは、しーげる(@siegelist1)です。
今回は、サンセイランディック(3277)の銘柄分析をしてみます。
目次
サンセイランディックは、ざっくりと表現すれば、土地と建物の権利を1つにすることにより、土地本来の資産価値を取り戻すことをビジネスにしている会社です。
しーげるくん
サンセイランディックが得意とする具体的ケースを2つほど挙げてみます。
ケース① 底地(借地権負担付土地)
サンセイランディックが得意とする分野に、土地のオーナーが第三者に土地を貸して、地代収入を得ている「底地」とか「借地権負担付土地」と呼ばれる土地に関わる仕事があります。
底地のように,土地のオーナーと建物のオーナーが異なるケースでは、
- 土地のオーナーは自由に土地を使用できない。
- 相続財産評価の割に収益性が低い。
- 建物のオーナーは建物の増改築や売却の際に、土地のオーナーの承諾が必要になり、かなり面倒。
・・・といった不都合な問題が生じがちです。
そこで、サンセイランディックは、
- サンセイランディックが土地のオーナーから底地を買い取る。
- 土地を建物のオーナーに販売する。
- 権利関係がスッキリ!
という難しそうな仕事を行っています。
ケース② 居抜き物件(古アパート)
サンセイランディックは、居抜き物件(古アパート)の権利調整も得意としています。
居抜き物件とは、一部入居者がいるものの、老朽化して十分に収益を上げることができない古いアパートのこと。
しーげるくん
このようなケースでは、
- 空き室が多く収益が下がる。
- 老朽化が進み、修繕費用が増大。
- 適正な賃料を取得しにくい。
- 住んでいる人がいるので建替えが困難
・・・といった問題があります。
そこで、サンセイランディックは、
- サンセイランディックがアパートを買い取る。
- サンセイランディックがアパートのオーナーとして入居者に移転を交渉する。
- 居住者からの明渡し完了。
- 更地にして販売!
という仕事をしています。
ケース①やケース②のような、これまで大手不動産会社がスルーしていた、高い専門性が求められるビジネスに着目し、業績を伸ばしているのが、サンセイランディックです。
また、「パンの缶詰」というユニークな株主優待を設けていることから、個人投資家からの人気を集めています。
株価が冴えません・・・。
過去1年の高値では1,370円(2018/8)から下落を続け、2019年8月28日時点で、762円となっています。
固有の悪材料を織り込んでいるのではなく、おそらく中小の不動産会社全体の株価が低迷している煽りを受けているものと思われます。
底地の売買は相続対策目的が多いため、不動産市況とは直結しないはずなのですが・・・。

売上高 | 純利益 | |
16.12 | 12,300 | 853 |
17.12 | 13,098 | 1,111 |
18.12 | 16,833 | 1,006 |
純利益は伸び悩んでいますが、売上高は順調に伸びています。
2010年以降の純利益も確認したところ、赤字の年はありませんでした。
配当利回りは3.02%とまずまず。しかも、連続増配中です。
配当 | |
14.12 | 3 |
15.6 | 3 |
15.12 | 7 |
16.12 | 12 |
17.12 | 18 |
18.12 | 21 |
※販売用不動産は換金性が高いため、「換金性の高い資産」に含めて計算しました。
現金及び預金 | 2,844,730,000 |
売掛金 | 151,200,00 |
販売用不動産 | 12,290,423,000 |
貸倒引当金 | △13,627,000 |
貸倒引当金 | △41,121,000 |
換金性の高い資産 合計 | 15,231,595,000 |
負債 合計 | △7,598,380,000 |
換金性の高い資産から負債を引いた額 | 7,533,215,000 |
時価総額 | 6,040,000,000 |
ネットネット株指数 | 0.8017 |
ネットネット株指数は0.80と低く、現在の水準は、かなりのお買い得と言えそうです。
サンセイランディックの「サンセイ」は3つの星が輝き続けるという意味に由来するようです。売り主・買い主・サンセイランディックの3者がWin-Win-Winの良好な関係を築けるように、という願いが込められているそうです。
不動産業界全体の株価低迷に付き合わされて,サンセイランディック株も冴えない状態が続いていますが、ネットネット株に該当しており、株主としてもこの3者と一緒に輝けるときを気長に待ちたいものです。
[…] 3277_サンセイランディック以前の分析ページはこちらをご覧ください。 […]