“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”を読み、マイルールの見直しを行っています。
この記事では、マイルールの時価総額基準についてまとめました。
目次
これまでのネットネット株投資では、時価総額基準を一切設けていませんでした。
どちらかというと、以下の理由から、時価総額は大きいほうが良いとさえ考えていました。
- 時価総額が大きい銘柄のほうが板が厚く、売買しやすい。
- 暴落時の戻りが早い。
そのため、現在のポートフォリオには、100億円を超える銘柄が多数含まれています。
“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”は、時価総額について、次のような2つの基準を勧めています。
- 時価総額が1億ドル以下であること
- 時価総額が100万ドル以上であること
まず、①時価総額1億ドル以下を要求する理由について、
ネットネット株の規模とリターンの関係を評価する研究では、両者の間に有意な負の相関関係が示されています。NCAV(正味流動資産)以下の企業規模が大きければ大きいほど、リターンは低くなります。
明確な境界線はありませんが、ほとんどの(高リターンの)ネットネット株の時価総額は1億ドルを下回っています。
出典:“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”
確かに、様々な研究によって、小型株効果は実証されているため、この基準を設けることによって、高リターンを追求することができるのかもしれません。
また、②時価総額100万ドル以上を要求する理由について、
企業規模と株式リターンの間の負の相関関係にも関わらず、時価総額が低下するにつれて、経営の質はより疑わしくなります。時価総額が100万ドル未満の上場企業は、合理的に有能な経営者を引きつけるための財源を持つ可能性は低いため、避けるのが最善です。そもそもなぜこれらの企業が上場されているのか不思議です。上場を維持するには非常に高額の経費を要します。
出典:“Benjamin Graham’s Net-Net Stock Strategy”
これはもっともな指摘だと思います。
今後、保有銘柄を組み入れる際、次のマイルールを採用してゆきます。
「時価総額が100億円以下であること」
日本市場には、時価総額が1億円を下回る銘柄はありませんので、時価総額が低い銘柄を排除する基準は設ける必要はないと判断しました。
現在、時価総額100億円を超えるネットネット株を多く保有していますが、それらの銘柄は当面保有を続け、良い頃合いに売却し、新ルールに適合する銘柄に入れ替えてゆきたいと思います。