2月から3月にかけて、コロナ・ショックにより、大暴落に見舞われました。
日経はご覧のとおりです。
24,000円前後から16,300円台まで、1か月程度で、31%の急落です。
米国ダウも、29,500ドル台から18,200ドル台まで38%も下落しています。
このような暴落が直撃すると、個人の口座残高も大きく目減りし、例えば、1,000万円の株式評価額は600万円台になってしまいます。
投資を行う前の段階で、この程度の下落があり得ることは承知の上で、投資を行っているはずですが、いざ目のあたりにすると、恐怖心や焦燥感が出てくるのは当然のことです。
このような時、大半の長期投資家にとって、もっとも、やってはいけないことは、ズバリ『売却』です。(もちろん、短期トレードでは損切は必要になりますし、長期投資家でも保有銘柄の入れ替えを行う場合もあります。)
そのような時、売却を余儀なくされないために、どうしたら良いのでしょうか?
今回の記事では、暴落時でも平常心を保つ上で役立つ3つのグラフをご紹介します。
目次
上記の図は、ジェレミー・シーゲルが「わたしが金融市場のリターンを調査する中で作成してきたどの図よりも重要だ」と述べた図です。
過去200年間の株式・長期米国債・短期米国債・金・ドルを対象に、インフレ調整後のトータルリターン(キャピタルゲイン・配当・利息を含む)の推移を累積ベースで示したものです。
この図によれば、1802年に株式に投資した1ドルは、2013年には、1799万9891ドルになっています。
確かに、株式の推移には凸凹があり、恐慌・戦争・金融危機の影響を受けるとはいえ、確実に価格は回復し、リターンを増していったことを示しています。
「高値掴みをしてしまった」と後悔することもあり得ます。
でも、上の図を見ると、後悔に及ばないことを知ることができます。
この図は、過去100年に訪れた8回の株価ピーク時から10年・20年・30年間、それぞれの金融資産を保有したときに得られた実質利回りを比較したものです。
この図からすると、たとえ株価がピークにあるときに株式を保有し、その後暴落に見舞われたとしても、他の金融資産の利回りをはるかに上回ることを期待できます。
保有期間が30年に及ぶと、株式は短期債の5倍以上のリターンを得ることができます。
したがって、今回の暴落前に株式を保有していたとしても、株式が十分に分散されていれば、売却に動く必要はありません。
広く分散された株式(S&P500)に投資していた場合、1950-2013年までの期間を通じて、年平均10%を超える高リターンを上げられることが、この図に示されています。
確かに、年ごとの振れ幅は大きく感じるものの、長く持てば持つほど下にぶれる度合いが小さくなってゆきます。
つまり、20年を超える長期投資であれば、どんなに辛い暴落相場でも、かならず株価は回復し、高リターンを得られることになります。
とにもかくにも、暴落相場に直面したときは、
- 売らされない
- 株式から得られる長期的リターンを思い出す
- 株式から得られる高リターンは、暴落時の我慢料と考える
ようにしましょう。
そのために、上の3つの図表を時々眺めると良いかもしれません。
そうすれば、厳しい暴落相場を耐え忍び、株式からの高いリターンを得られるにちがいありません。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。